第2章 に
「何回か、事件であってね!」
あっけからんと言うコナン君に、こんな小さい子でも事件に巻き込まれる時代なんだと思ったのと同時に、…って、今何回かって言った?
「何回かあるの?」
「うん、オジさんが探偵してるからボクもついてくんだ」
「へ、へぇ」
「ボクも、初めての時はこんな小さい子がって思ってたんですけどね、中々面白い着眼点で、毛利探偵を手伝ってるんですよ。ね、コナン君」
「えへへ」
得意気に、だけど気まずそうに笑った、コナン君。
「そっか、でも、心配だな」
「大丈夫だよ、細心の注意はして…る」
諭すように、頭を撫でる。
「背伸びもいいけどさ、子供でいられるうちは子供でいてほしいな。大人としてはね、」
あれ、なんか黙ってしまった。
「あ、ごめん。勝手に撫でて。え?捕まる?」
と降谷君、じゃなかった安室さんを見れば、笑いを堪えてる。
「コナン君がそうなるの、珍しいね」
「う、うるさいよ!安室さん。さんも別に、捕まらないから、」
「そっか、よかった」
「でも、恥ずかしいから頭撫でるのはやめてほしい」
「そっかそっか」
「なんでやめないで、ニコニコしてつづけてるの」
「ついね、つい」
ガシッと掴まれたうで。
やりすぎたかなと思ったら、耳まで真っ赤にして、
「ボクそこまで子供じゃないから!」
と言ってくる。
「そっかそっかぁ」
あぁ、可愛いなぁ。
「ふふ、子供できたらこんな感じなのかなぁ?ね、安室さん」
「どうでしょうね、コナン君は聡いから」
「ヒロも聡かったから、大丈夫だよ」
「…そう、ですね」
「ヒロって?」
「子供にはまだ早いよ、もう少し大人になったら教えてあげる」
ぽんぽんとまた頭を撫でれば、今度は拒まれなかった。
「えー、ボク気になる」
「あ。じゃあこんなのはどう?解き明かしてみてよ、探偵さんなら」
「ちょっと、さん」
ワクワクしたような目をするコナン君と、心配そうな安室さん。
「大丈夫だよ、正解はないんだから」
「どういうこと?」
「気持ちは十人十色でしょ?って、難しいかな」
なんて誤魔化すと、人それぞれってことだよねっていわれて、今の義務教育、そんな先進的なの?と今度は私が苦笑いをしてしまった。