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夕刻、貴方の影を探す

第2章 に


 「また今度、ゆっくりお話ししたいです!コナン君もごめんね、行ってきます!」

 慌ただしく走って行った蘭ちゃんを見送る。

 「名前の通りだね」

 なんてボソッと言えば、クスッと笑った安室さん。

 「RUNだけにね、」
 「さん、そういうこと言うタイプなんですね」

 あ、梓さんがひいてる。

 「ところで、コナン君が行かないなんて珍しいですね」

 梓さんが首を傾げてる。

 「珍しいの?コナン君」
 「彼は、探偵なんですよ」
 「将来の夢?探偵か…いいね。かっこいいもんね、シャーロックホームズとか」
 「さんも読むの?!ボク、ホームズが1番すきなんだ!!特に」

 あ、語り始めた。
 目をキラキラさせて、意気揚々とホームズの話をしてる。

 ‥ごめん、実はお姉さんそんなに知らないんだ。

 「それで、ホームズが言ったんだ!」

 凄いんだ、ホームズは!!そう語るコナン君をみながら私は別のことを考えてた。

 あの本小学生向けだったけ?

 ご両親が探偵とか?
 それとも小説家とか?

 何はともあれ、コナン君の可愛さは英才教育の賜物なんだなと、適当に思考を止める。

 「さんが困ってますよ、コナン君」

 コナン君のマシンガントークが終わる頃には、梓さんもお仕事を上がっていて。

 ねぇ、いつの間に帰ったの?

 「…あ、ボク、つい語りすぎちゃって」

 と、耳まで赤くするコナン君をみたら、もう少しちゃんと話を聞いてあげるべきだったかなと反省する。

 「大丈夫だよ、さんって聞いてるようで聞いてないから」
 「いや、安室さんそれフォローになってないからね。ごめんね、コナン君。
 ホームズそんなに読んだことなくてさ、」
 「そうなんだ…」

 私が言いかけると、しょんぼりする。

 「だけど、そんなに面白いなら今度読んでみるね」

 珈琲を一口飲んでそういうと、ぱあっと表情を明るくしたコナン君にガシッと腕をつかまれた。

 「貸してあげる!初版本!絶対面白いから!」
 「う、うん」
 「はは、よかったですね。さん、コナン君とお友達になれて」
 「いや、小学生とお友達って松田君とかに捕まりそうじゃない?」
 「松田刑事と知り合いなの?」
 「え?知ってるの?」

 小学生なのに凄いな。
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