第2章 に
「さんは、何をしてる人なんですか?」
「特に何もしてないよ、ダメな大人だからね。日雇いのバイトでその日暮らししてる」
「へぇ」
あ、いまjkとdsにドンびかれた。
「自由に生きてるよ、おすすめはしないけど。だから、定職につけたっていう点では安室さんに感謝だけど」
私たちの飲み物を用意してくれる安室さん、こと、降谷君の背中を見つめる。
えらく手際がいい。
だから、…余計思い出す。
少しボーっと見ていれば隣で着信音が鳴って、ハッとする。
蘭ちゃんの電話だった。
「あ、電話だ。すみません、ちょっと席外しますね」
私達に断って、カランコロンとドアを鳴らして出ていく。
その姿を見送った後、クイッとコナン君に裾を軽く引っ張られた。
「安室さんとさんって、昔馴染みだったんだよね?昔から安室さんはなんでもできたの?」
純粋な目で聞いてくるコナン君に、初めて焼いて焦げた目玉焼きと、次の日には完璧にやり遂げた降谷君を思い出す。
ヒロと一緒に教えたっけな…。
「器用だったとは思うけど、陰で努力してるタイプだと思うよ」
「へぇ、意外」
「安室さんだって、人間だからね。だけどコナンくん、安室さんみたいになっちゃダメだよ」
「はーい」
「はーいって、酷いな。コナン君」
そう言って運ばれてきたブラックと、紅茶とオレンジジュース。
「ポアロの珈琲美味しいんだよ」
と教えてくれたのは、コナン君。
「へぇ、飲んだ事あるの?」
「あ、ううん」
「たまーにありますよ、ね。コナン君」
梓さんが、ニッコリと笑う。
知られたくなかったのか、コナン君が苦笑いしてる。
「へぇ、凄いね。大人舌だ」
「あはは」
「でも、オレンジジュースも飲むんだね。美味しいもんね」
「うん」
蘭ちゃんの電話はまだ終わらないみたい。
「コナン君は、」
言いかけた時、戻ってきた蘭ちゃんが申し訳なさそうに言った。
「梓さん、すみません。お父さんに急に呼ばれてしまって。コナン君のことお願いできますか?」
「いいですよっ、て言いたいところなんですが…私も、もうすぐ上がる時間なんです」
「ボクでよければ、コナン君と蘭さんの帰りをお待ちしてますよ」
「助かります!さんも、すみません」