第2章 に
非通知で電話が来たのは、つい二日前。
その日は出ず、今日また着信が鳴った。
「もしもし」
嫌な予感がしたのは、ヒロのことがあったから。
『もしもし、か?』
「その声は、降谷君?」
『訳あって、頼みたいことがあって。来てくれないか?』
「どこに?」
『米花駅から少し歩いたところのポアロって店知ってるか?』
「えー?わかんないかも」
『じゃあ、調べてきてくれ。頼む、お前にしか頼めないんだ』
「わかったよ」
そう言ったのは1時間ほど前。
ーーー
ーー
ー
そして、迷ってるのが今。
「どこだここは」
「あれ?やっぱりこの前のおねぇさんだ!」
「コナン君知り合い?」
聞き覚えのある声に振り返る。
「うん、この前あのおねぇさんの落とし物、拾って渡してあげたんだ!」
見覚えのある、メガネの少年。
「この前はありがとう、えーっと」
「ボクは江戸川コナン!こっちは蘭ねぇちゃん!」
は、かわよ。
「そっか、コナン君」
「お姉さんのお名前は?」
「です、よろしくね」
「毛利蘭です。よろしくお願いします、さん。」
合わせてこちらもぺこりとお辞儀をする。
「それより、こんなところで何してるの?」
コナン君と目線を合わせるようにしゃがむ。
「恥ずかしながら、この辺来たことがなくて…迷っちゃったんだよね。コナン君と蘭さん、ポアロってお店しりませんか?」
「ポアロ?それって、喫茶店?」
「そうそう、知り合いに呼び出されてしまって。しってる?」
「それなら、ご案内しますよ!私たち、今から帰ろうと思ってたので。ね、コナン君」
「ほんとに?!ありがとうございます!よかった」
お言葉に甘えて、2人についていく。
「いやー、たすかったよ。2人のおかげだぁ」
「大袈裟ですよ、ちょうど家がポアロと同じビルなので、お役に立ててよかったです!」
蘭さんはどうやら高校生らしく、その割にしっかりしすぎている。
「蘭さん、」
「さんなんて付けなくていいですよ!」
「じゃあ蘭ちゃん。蘭ちゃんみたいなおねぇちゃんがいて、コナン君いいね」
私が言うと、あははと気まずそうに笑ったコナン君。
コナン君も一年生と言う割に、大人びている。