依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第25章 二人の背景
先に玄関先で靴を履いて、🌸ちゃんからもらったクリップで纏めたシャンクスさんの名刺とルーズリーフを見返しているロー君。
「改めまして、先日はありがとうございました」
頭を上げると、気にすることじゃない、と左手を壁について廊下に立つシャンクスさんの笑顔。
「気をつけて帰るんだよ」
心配そうに見る🌸に、大丈夫、と頷く。玄関ドアを開けたロー君と、敷居を跨いだところで振り返る。
「じゃ、世話になった」「ケーキ、ご馳走様」
🌸ちゃんから目線を変えるロー君。
「赤髪、多分連絡する」「ああ、いつでもいい」
気をつけて、と手を上げるシャンクスさんは、帰らないのかな??
またね、と閉まったドア。
細く折ったルーズリーフをポケットに入れ、荷物を持ってくれるロー君と手を繋ぐ。
「仲良さそうでよかった」
ルンルン、と繋いだ手を振ると、ロー君もノッてくれる。
「式のブーケ、🌸が取るといいな」
「いいね、それ!寧ろ手渡しちゃおうかな」
🌸ちゃん、お花好きだし!とロー君の名案に賛成する。
「🎀、」繋いだ手を強く握られて足を止める。
「お前、本当にこのまま結婚していいのか?」
ローくんの低い声に、驚いて見上げる。
「俺でいいのか?🎀なら、もっとマシな男選べるんだぞ。🌸みたいに面倒見良くていつでも話聞いてくれる男だっているはずだ。赤髪みたいに笑わせてくれる男だっている。固執する必要ない」
俺みたいに、と目を背けるローくん。
またその顔、と口を紡ぐ。いつもはあんなに頼りがいがあってかっこいいのに。偶に見せる、弱くて儚くて、切ない顔。
「じゃあ、そうしちゃおっかな」
その言葉に、ローくんの指先が手の甲に食い込む。くるり、と半身を返して腰に抱きついた。
「面倒見が良くていつもお話聞いてくれて、笑わせてくれる上に泣かせてもくれる外科医さんのところに行こうかな!」
連れて行ってくれる?とちょっと意地悪に笑いかけた。
「どんなに離れても、私は結局、一周回ってローくんのところに帰ってきちゃうよ。逃げられないのは、ローくんの方だよ。大変だね!こんなしつこい女に目つけられちゃって」
かわいそー!と逞しい胸におでこを擦り付けたら、苦しいくらいぎゅうぎゅうに抱きしめてくれて、ありがとう、と微かな声が聞こえた。