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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第24章 二人の景色


「せめて折半にしようよ」
全食材シャンクスの口に入るかわけじゃないし、と助手席から伺ってくる🌸の手を握る。
「むしろ、お弁当とか作り置きに使っちゃうから」
「それならそれでいい。ただポトフは食いたい」
じゃあ、夜に作る?と見上げてくる顔に頷く。

後部座席に荷物を積むと、素直に助手席に乗り込んだ🌸のシートベルトを確認してエンジンをかける。
「ポトフと、何にしよう...お腹に溜まるスープだから、トマトとチーズのサラダときのこのマリネでいい?あ、それならパン買えばよかった」
パスタは買い置きがあるからスパゲティにしちゃおう、とメニューを考えている🌸の頬を掴む。
「っ敬語してない!」
「肉のコーナーで、本格的に『つくりません』よ、って言った」
だから、と軽く唇を食む。
「目敏いっ」
「見たんじゃない、聞いたんだ」
屁理屈、と言う🌸の手を握ると、ギアをドライブに変えて走り出した。

車が駐車場を出た時、🌸の携帯が鳴った。
🎀だ、と光る画面を見て、いい?と首を傾げる。
ああ、とスピードを安定させる。
もしもし、と出た声が少し外用の声で、ふっと笑う。

「今、ちょっと買い物に出てて...うん。それで、時間的に夜、どうするかなって...そう、うん、あ、待って」
軽く電話を耳から離してこちらを向く。
「夕飯、🎀とロー、一緒でいい?」
少し首を傾げている仕草が可愛い、と頭を撫でて頷く。

「彼もいいって言ってるから...うん。じゃあうちで。
あ、ローに西側のパーキング使うように伝えてあげて。
お昼のところ、今の時間からだと上限ないから」
よろしくね、と気遣いを見せた🌸が携帯をおろしたタイミングで声をかける。

なに?と動きかけた唇を塞ぐ。
触れ合うだけで離れると、す、と指先が頬を撫でる。

「敬語、してない」
「今のは、ただの欲求だ」
「信号停止中とはいえ、危ないって」
「ちゃんとギアはパーキングに入れてる」
ちゅ、ちゅと2回、軽く唇にキスを繰り返す。
信号変わるよ、と優しく頬を押されて前を向いた。

「少しは自制してください」
「してるつもりだ」
なんで効かないかなぁ、と呟いて、あ、と気づく。
「敬語、」
「今のは無しー」
ちぇ、とハンドルを握り直して🌸の部屋まで走らせた。
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