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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第23章 その本質


そんなんでいいのか?となぜがどこか不満そうなシャンクス。
「なんでもいいって言った」
「言ったが、こう、もっと色気のあるものを予想していた」
色気のあるお願いってなに?と苦笑している🌸に、何から観たいか考えとけ、と言って腕時計で時間を見た。

「荷物が来るのが夕方だろ」
今から出れば十分間に合う、と🌸の手を取って歩き出す。18時に🌸の自宅で待ち合わせになっているローと🎀は、すでに出ただろうか。
ギュッと力を込めた右手を握り返されると、ふっと気持ちが緩む。

「荷物引き取ったらこっちに来るか?」
繋いでいた手を引いて、腕が絡むように体を寄せる。
「え、明日から仕事...」
「朝は送ってやる。着替えとか荷物、持ってきちまえ」
鍵、渡しておくからと歩みを進める。

「スペア、すぐに作れたかな?」
どうやって作るんだったか、と顎髭を撫でると、しっかりしてー、と苦笑混じりに言われる。
「まあ、誰かわかるやつがいるだろ。
いなかったら、俺の分、渡しておく」
「それじゃシャンクスが家に入れない」
「ちょっとシステム弄りゃ問題ない」
へー、と言った🌸が、ん?と首を傾げた。

「え、待って。あのビルって...」
「俺の私物」
会社名義ですらない、とポケットからカーキーを取り出す。
「固定資産税いくら払ってるの?」
気になるのはそこか、と現実的な単語に吹き出す。
「だって、まだ30?でしょ?」
「まだって歳でもないさ、3月には31だし」
無機質なコンクリートの駐車場にコツコツと靴音が響く。

「3月生まれなの?!」
「っなんだ?」
立ち止まって驚いている🌸に驚くシャンクス。
「3月のいつ?」
「9日」
「9日!」
だからどうした、と眉を顰めると、バッグを漁って何かを取り出す🌸。
バッと眼の前に出されたそれが近すぎて見えないので、すこし身を引く。
(保険証??)
何故、と読み上げてちょうど中程のある箇所で視線が止まる。

生年月日 〇〇XX年3月9日

「ぴったり7つ差だな」
巡り合せはあると思っているけれど運命は信じちゃいないシャンクスは、こんなことあるなんて、と感動している🌸の髪を撫でる。
ただ、誕生日が同じだったというだけで感動を覚える🌸が可愛い、と唇に軽いキスを落とした。
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