依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第21章 ダブルデート??
「🌸、逃げとけ」
え、と言う前に、ローは🎀の手を引いて生活用品や雑貨品を多く扱う店のロゴが並ぶゾーンに行ってしまった。
「え、なにっ?逃げろってなにっ!?」
焦った顔の🎀に、早々に走り出しローを追いかけようとしたら、ぱし、と手を取られた。
見上げると久しぶりに見る気がする、髪を整えたスーツ姿。
「手振ったの、よくわかったな」
嬉しそうに笑うシャンクスに、や、だって、と俯く。
通路からそのまま駆け上がってきたから、たくさんの眼とレンズが上を向いている。
袖に捌けるはずが全く見当違いの方に行ったシャンクスを関係者が何事か、と見上げているのだ。
司会進行を務めていた女性が、えっと、とまごついている。
その視線に、ドクドクと心臓が早く高鳴る。
「仕事終わり。🌸、行きたい場所は?」
手を絡め取られて、歩き出す。
バシャバシャバシャ、とテレビで見る政治家や芸能人に向けられるようなフラッシュから顔を背ける。
「大丈夫だ。後で写真は使わないように言っておく」
大丈夫、という彼の声にほんの少し安堵して、手を引かれるまま歩く。
シャンクスは、ローと🎀が向かったのは逆の方向へ向かう。
メイン会場から少し駆け足に離れると、通路を繋ぐスペースに置かれたソファに腰掛けてネクタイを緩めた。
「ちょっとしたサプライズだな」
成功、成功といたずらにケタケタ笑っている彼を見下ろす。
「こっちは一般人なの。
もう、ローの奴、察知して🎀だけ連れて行くなんて...」
シャツのカフスまで外して、完全にOFFモードに切り替えているシャンクスを横目に携帯を取り出す。
「ん?」
画面にはすでにローからの連絡が入っていて
18時 🌸自宅
それだけのメッセージが来ていた。
「あいつ、私を囮にして逃げたな!」
あんにゃろう!逃げとけ、とか言いながら!とキーキー言っている🌸の髪を撫でて笑うシャンクス。
元はあなたのせい!と睨んでも、ごめんな、と悪いなんてこれっぽっちも思ってなさそうな笑顔だったから、尚更腹が立った。