依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第21章 ダブルデート??
「こういう『裏側』ってところ初めて見た」
なんかおもしろーい、と明るい天井や飾り付けが始まっているブースを見回す。
「病院の新設とかでも、内覧会ってやるしな。関係者呼んだり、近所にフライヤー配って雰囲気見てもらったりする病院は増えてる」
そうなんだ、と🎀と二人でローを見上げる。
「オープンしたら、お買い物来ようね」
「ああ」
🌸ちゃんもね!と言う🎀。
✜
「REDforceは、なんの絡みなんだろう?」
答えてくれるであろう彼には、一応のドレスコードがあるから本社の自宅で着替えて落ち合う、と招待状を託されて入口でお見送りされた。
「土地の斡旋か、出店企業の斡旋、その他運営支援ってところじゃねぇか?」
代わりに答えてくれたのはローで、完成予想図や出展予定企業の一覧などが張り出されているボードを指差す。
上部に彼の会社の名前がある。
「何でも屋さん、って感じ」
ロボットだの土地開発だの幅広い、と規模の大きさに嘆息する。
大型のショッピングモールになるらしいここには、彼と同じように協賛や出資をしていると見られる企業のお偉いさんらしき人、一般抽選されたであろう親子連れや若いカップルなどオープンしていると見間違う程の多様な顔ぶれだった。
オープン後にはメインのイベントホールになる空間にステージが作られていて、順番に主賓と思われる客がオープンに際して祝辞を述べている。
「ありがとうございました。
さて、最後にご挨拶いただく予定となっておりました株式会社REDforce代表取締役シャンクス様に関しまして、誠に残念ではご、ざいます、が、」
司会の女性の言葉に首を傾げる。
出なくていいと思っていた、と言っていたが、予定が変わったのだろうか。
ならば、なぜ自分たちはここに置き去られたのだろう?
変なところで途切れた言葉に、ステージへ目を向けると、袖からスーツの男性が壇上に上がって、司会の女性に耳打ちしている。
「只今、到着されたそうです。御挨拶頂けるとのことですので、御登壇いただきましょう。よろしくお願いします」
吹き抜けに響く拍手。
ステージの中央に、記者やカメラマンが押し寄せて眩しくフラッシュがたかれた。
「なにやってんの?」
携帯の画面を見るロー。
「ネット配信されてる」
下げてくれた画面を🎀と覗き込んだ。
