依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第21章 ダブルデート??
「は?」
明らかに、意味がわかりません、という顔をする🌸。
天気がいいとか、どう時間を潰そうかとか話しているところに差し出されたそれ。
「出なくてもいいかと思って放ってたんだが」
呼び出しされた、と苦笑するシャンクス。
「呼び出し?」
「どうも、想定より集客が悪いらしい」
トン、と指先で叩かれたテーブルのそれを🌸が開く。
「『ネフェルタリグループ』?」
仰々しい装飾の招待状。
関係者各位、と書かれたそれの差出人を読み上げて、誰?と言う🎀。
「財閥だ。
主には石油産業だが、今じゃ運送業や土地開発、商業施設の運営もする総合商社だな」
ローの解説に、詳しいな、と頷くシャンクス。
多少の株式に手を出しているので、そのへんの知識はある。
「そういえば、人工島の一角に大型のショッピングモールを作るって」
税務課が騒いでいた、と呟く🌸。
「🌸は、買い物は嫌いか?」
「いや、どちらかといえば好きだけど」
「オープン前の大型商業施設を見る機会なんてそうそうないだろ」
「でも、招待されてるのはシャンクスさ...シャン、クスだけでしょ?」
ぐっ、と顔を近づけたシャンクスにプルプルと首を振る🌸。
残念、と笑って身を引いた彼に、危なかった、と胸を撫で下ろす。ロー達もいるのに、と横目に見やる。
「構わないさ。
招待客の中には、一般抽選された客もいるようだし。
内覧会みたいなもんだからドレスコードもない」
俺は一応招待を受けた手前、スーツに着替えるけれど、と笑っているシャンクス。
「暇つぶしにはちょうどいいだろう」
✜
「うわぁ、ピッカピカ」
「店舗はほとんど埋まってるな」
表はまだ工事柵が張り巡らされているけれど、建物の中や吹き抜けの中央には芝が敷かれて、日光が差していて明るい。チラホラとフロアに人が見られ、案内役らしきスーツにネームホルダーをつけた人が声をかけたりしている。
「REDforceご関係者様ですね。ぜひ、ごゆっくりご覧ください」
グランド・オープンに向けての準備が進んでいるが、ショーウィンドウ内が空だったり、ダンボールが積みあがっているゾーンもある。
各所、最後の追い込み作業といったところらしい。
店の割り前やロゴ看板、空のショーウィンドウが並ぶ施設内を、へえ、と見渡しながら進む。