依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第21章 ダブルデート??
(見てるなぁ)
すっげぇ見てる、と斜向かいの🌸に向く目線の元を辿る。
婚約者と腐れ縁をナンパ野郎から救ってもらった事から、なんかよくわからない仲になりつつある、時折、経済誌などで見るだけだった男。
5つか6つほど年上のはずだが、あっけらかんとしていて人との壁が薄い。
そういうタイプは、性格上正反対で自分とは大概合わないのだが、医療の話で少し通じ合ったせいか、嫌悪感や苛立ちは皆無だ。
どうやら、🌸とはそれなりの仲になりつつあるらしいが、付き合いが始まってるのはよくわからない。
🎀への不審な動きが一切ないのに対して、🌸にはあけすけ過ぎるほどの好意が見えているし、彼女に向けられる視線に明らかな温度があるのが、同じ男だからわかる。
🎀の言う通り、「仲良し」だ。
どうやらキス魔らしく、🌸はすでに幾度もやられている(自分も変わらないくらいキス魔だと言う自覚はない)らしい。
🎀の口元の米粒を取ってやったら、イチャつくなと喚くので、反撃してやった。
俺だって見たくて見たわけじゃない。🎀が心配そうにするから、様子見てみるか?と言っただけだ。ちょっとイチャついてるだけだろ、とは過ぎったがあそこまでとは思ってなかった。
俺だって🎀にあんなキスするのは部屋なりベッドなり、二人きりのときだけだ。
湯呑のやり取りをしている二人。
警戒心の強い🌸が、出会って日も浅いのにこうして同じ食卓についている事を鑑みれば、彼女もそれなりの好意はあるんだろう。
なければ、是が非でも逃げているはずだ。🌸なら。
男女関係なく、好きなやつとのスキンシップは嬉しいもの、と言う赤髪の言葉に同調している🎀。
...それは、随分はっきりと🌸に対して「つまりはそういうことだ」と宣言しているようなものだと思うが?
窺い見た🌸は赤髪を睨みながら、唇を撫でている。
(確かめあったわけじゃなさそうだな)
赤髪は恋人関係へと発展する前の微妙な仲を楽しんでいるだろうが...
あまり長く続けると拗れるぞ。
相手は🌸だぞ。
🌸が素直になるのが先か、赤髪の我慢の糸が切れるのが先か、とローは湯呑みのお茶をぐい、と飲んだ。