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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第19章 夢のはじまり


部屋に戻ると、よく冷えたペットボトルの紅茶をくれた。
廊下に放置されていた鞄から携帯を取り出した🌸は目を見開く。電池残量の少ない画面には、一台の携帯で仕事もプライベートも兼用しているシャンクスでもなかなか見ない量の不在着信と未読メッセージの数。

「ローに着いたら連絡しろって言われてたの忘れてた」
項垂れる🌸の後ろから画面を覗き込む。
「心配性のDr.フィアンセか?」「そう」
どう言い訳しよう、とまるで朝帰りした娘が親への言い訳を考えているような🌸の様子に、くくっと笑う。
「疲れて寝てたことにするかぁ」
「寝てたのは事実だしな」
嘘じゃないか、と頷く🌸の背後から腰を軽く抱く。

マナーモード状態だったそれが突然震えて、🌸はお手玉した。

  着信 トラファルガー・ロー

「き、きなすった!」
落ち着くんだ私、と胸に手を当てて深呼吸をしている🌸の手元のそれを勝手に操作して、通話状態にし、加えてスピーカーモードにする。

-あ、🌸ちゃん?!-
-おい、なんで連絡寄越さなかった-
ローの携帯からの着信だったが、最初に聞こえたのは🎀の声だった。
ごめん、と言おうとした🌸より早く、スマホを持つ手を掴んで口元に寄せたシャンクスが口を開く。

「Mrs.フィアンセ、無事に旦那の元に帰ったかぁ?」
-誰だ、てめぇ-
-えっ!?-
-🎀、知り合いか-
明らかに不機嫌が聞いて取れるローの声に、なんで勝手に出るの?!とケタケタと笑っている腕を叩く。

-おい、誰だ。なぜ🌸の携帯に出る?-
「なぜって...自分の女に男から連絡があったら気になるだろ?」
-は?-
何言ってんの、と見上げる🌸に、シー、と唇に人差し指を立てる。
「例のDr.フィアンセだな?Mrs.フィアンセがいるなら変わってくれ」
-得体の知れない野郎に、そう易易てめぇの女差し出す野郎がいると思ってんのか-
過保護は想像以上だな、と少し笑う。

「旅先で少し親しくなった」
-...赤髪か?-
「まあ、そう呼ばれることもある」
あー、ああ、そういう事か。と呟く低い声。
-🌸に早めに帰るよう伝えてくれ-
必死に背伸びをしている🌸は、なにかあった?と携帯を引き寄せた。
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