依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第19章 夢のはじまり
寝室横。仲間内には書斎と言い張っている部屋から持ち出したパソコンを開く。
ベッドはしばらく使えそうにない。ネットで新しくベッドマットと防水のボックスシーツを発注した。
仰向けに寝かせた🌸が眩しくないように照明を少し落としたリビング。
すっかり目は冴えてしまい、ネットワークで繋がっているクラウドに出張の報告と旅費や宿泊費の明細を送ったり、不在中の会議の議事録を読んでいた。
作業が一段落して時計を見ると、5時に差し掛かっている。
少し固まった身体を伸ばし、振り返ってソファで寝ている🌸の髪に指を差し込んで梳く。
「んん」
擽ったかったのか、少し不機嫌そうに眉を寄せて薄く目を開けた。唇にかかっている髪を払ってキスすると、ぅん、と甘ったるい声を出す。
頬を撫でるとその手を握って擦り寄ってくる。
(かわいいな)
甘ったれ、と穏やかな心情で見つめる。
また、うとうとと眠りかけた🌸がパチっと目を開けた。
ガバリと起き上がってキョロキョロと辺りを見渡す。
開けすぎているクルーネックから露わになっている肩。
おはよう、と隣に腰掛けて位置を直してやる。
う、あ、え?と少し混乱している🌸の体を支えて、どこまで覚えてる?と、ベッドでしたように片膝を立てて背もたれ替わりにしてやり、肩に頭を預けさせて膝ごと抱え込む。
えっと、と唇を撫でている🌸の頭を引き寄せて、頭頂部にキスを落とす。
「俺の鎖骨、噛んだのは?」
噛んだ?と見上げる🌸に、ほら、と歯型が残っているであろうそこを見せる。
「『気持ちいい?』って言いながら、執拗に弄ってたのは?」
手を取って、コレ、と落ち着いているソコにあてると、うにゃっ!と変な声を出した。
「んじゃ、耳でイッたのは?」
「あああっもっ、もういいです!思い出しました!ばっちりです!」
だからやめて、と潤んだ目を逸らされる。
「痛いところはないか?」
服は洗濯中、と額や頬にキスを繰り返す。
「痛みは、ないけど」「けど?」
うう、と唸って胸に顔を埋める🌸が、何か言う。
聞こえない、と頭を抱え込むように額を撫でて顔をあげさせる。
「気分が悪いか?」
言い淀む🌸が膝をすり合わせるので、ああ、と掛けたままだった眼鏡をテーブルに置いて抱き上げた。