• テキストサイズ

依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第17章 臨機応変に柔軟に03 ❦


広いベッドの縁に腰掛けていた彼が、中央ほどに移動して、そこであぐらを組んだ膝の間に横向きに抱かれていた。腰とお腹あたりに腕を回して緩く手を組んでいる。
体全体で包み込まれるような体勢で、抱き合う。

「🌸」
再び裾から差し込んだ手で背筋を擽るので、彼の首に回した腕に力が籠もる。ゾワゾワとする感覚に耐えるためにしがみつくとパチン、と背中のフックが緩んだ。初めてでもないのに、それが酷くいやらしいことに感じて息が詰まる。
引っかかるものが無くなった背中を撫でる温かい手がそっと逆撫でして、そのまま緩いシャツの襟から出すとやさしく髪を撫でられる。
「怖いか?」
よしよし、と優しい声で抱き寄せられると、彼の首筋からほのかな香水の香りがする。海を思わせるそれをすう、と吸う。

「🌸」
髪を撫でられながら、あいた手で顔を上げられて、至近距離で見つめあう。柔らかい声で名前を呼ばれると、それだけでなんだか気持ちよかった。
「🌸」
また名前を呼ばれて、なに?と問いかけると、んー、と目線を逸らしている。
「なぁに?」
もう一度聞くと、頬と髪を撫でていた腕で優しく体制を変えられる。あぐらを組んだ彼の腰を跨いで膝立ちになると、腰を引き寄せられて、胸元にシャンクスの額があたる。その甘えているような仕草に、キュンと胸が高鳴る。

「シャンクスさん?」
どうしたの?と聞こうとした途端、視界がぐるっと回って驚く。
ぽすん、と後頭部に柔らかい感触があって、咄嗟に閉じていた目を開けると満面の笑みが視界いっぱいにあって、パチパチと瞬き。
スリスリとリップがすっかり剥がれた唇を指で撫でられ、薄く開くと、ふに、とそこを軽く指で押したり、形を確かめるようになぞったりしながら目を細めている。

「名前、」「え?」
唇に向けられていた目線が合うと、ニッと白い歯を見せて笑う。
「俺の名前、呼んでくれ」
おやつを待っている子犬みたいな目で見られて、またキュンとなる。
「ほら、🌸」「し、シャンクス、さん?」
これで合ってる?と疑問形に呼んだ🌸に、んー、とまた何か考えて向き直ってくる。

「『さん』は無し」「でも、」
「🌸」「ぁ、シャンクス、?」
彼の希望通りに呼んであげると、褒めるように頭を撫でられた。
/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp