依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第17章 臨機応変に柔軟に03 ❦
「ぅぁ」
不意に漏れた声に、ギッと奥歯を噛んで抑えた。つう、と頸動脈に這わされた濡れた感触に、体が震える。ちゅうっ、と首の柔らかいところを吸い上げられ、反射的に🌸の身体を抱きしめる。ちゅ、ちゅ、とそこに繰り返されるキスに、(ああ、玄関での仕返しか?)と耐える。
特に弱い、というわけではなかった。首も耳も、責められて多少の快感はあるが、それこそ先程の🌸程の敏感さは持ち合わせてない。けれど、今は確実に熱を高められている。指で擽られる感覚も、唇が吸い付く感覚も、過敏に認識している。
-気持ちよくなって-
その言葉通りに、🌸は触れてくる。
首筋を這っていた唇が離れて刺激が引くと、ひと息つけると少し力を抜いた。
「っあっ、くぅ」
ギリッと奥歯が擦り合う。気を抜いたせいで、過敏に認識してしまった。膝から太腿の付け根ギリギリ。内側を撫でた🌸の右手を捕まえて咎める。
「擽ったかった?」
そうじゃないだろ、と誂っているわけでもなく、ただ疑問として問いかけてきた🌸に、目を細める。
ふー、と息をついて掴んだ手の人差し指をパク、と咥えた。い、と軽く歯で噛んで見せると舌で吸い上げる。
「んんっ」
噛み合わせた歯と頬の間で強めに吸うと、🌸の体に力が入る。ゆっくりと舌を指に絡めて音を出す。
(指に性感帯でもあるのか)
さすがに感じすぎではないか、と🌸の顔を見やる。
まるで見てはいけないものがそこにあるかのように、固く目を閉じて、顔をそらしている。けれど、薄く開いた唇から漏れているのは確かな嬌声だ。
口内から指を開放し舌先でペロリと舐め上げる。そう長い時間咥えていた気はしないが、指の腹は既にふやけていた。
いまだに背けている首筋を下から上にゆっくり舐めあげると、予想通り、微かに🌸の体が震える。耳の下。輪郭と首筋の間辺りに口付けると、脈動を感じる。
ちう、と軽く吸い付く。
「ふぅ、っん!」
やっぱり、と、柔らかい皮膚を舌で擽る。
「お前、皮膚薄いな」
頸動脈のあたりにピタリとはりつけた舌に脈動を強く感じる。
少し早い一定のリズムに、ぐっと舌全体を押し付ける。
そして、今度は少し歯を立てて噛みつくと、大きく背を反らした🌸の少しも乱れていない服に、嘘だろ、と吐いた息は熱かった。