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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第17章 臨機応変に柔軟に03 ❦



ベッドに腰掛けた彼の伸ばされた手を取ると、ぐいっと腰を引き寄せて上に乗せられ、彼の太腿を挟み込むように膝をつく。
(ベッド、広っ)
スリ、と輪郭に添えた手の指先で撫でられて見上げると、見下ろしていた優しいブルー・グレイが伏せられる。

「ん、ふ、」
唇で唇を食むようなキスを繰り返されながら、誘導されて首裏にまわした手で赤い髪を撫でると、少し癖のある髪が柔らかい。
真似るように後頭部を支えていたシャンクスの手が髪を撫でる。

(きもちいい)

髪を撫でられることもキスも、今まで幾度か経験があるけれど、今が一番気持ちいい。
しばらくこういう触れ合いに縁がなかったせいだろうか。
名残惜しく離れて目を開けると、指先で頬を撫でるシャンクスが、だからそんな顔するなって、と苦く笑った。

「お前は、俺をどうしたいんだ」

どうしたい、と少し酸欠の頭で考える。
抱きしめたい、もっとキスがしたい。
その首筋にすり寄って甘えたい。
そして、自分もこんなに気持ちよくしてもらっているから、彼も同じ気持ちになれたらいい、と思った。

「気持ちよく、なって」
唇と肌で熱を分け合って、満たされるのにもっとと求めてしまうこの感覚を彼と共有できたら、どんなに素敵だろうか、とうっとりと見上げる。

少しのお酒は、とっくにその効果が切れているはずだけど、それでもまだ、体は脈を打って熱い。
普段そんなに飲まないから、久しぶりに美味しいお酒を飲んであてられたんだろう、とぼんやり考える。
欲求不満もあるのな、と思ったけど、でも、彼じゃなきゃ嫌だ、と思う自分がいて、おかしいなぁ、とぼんやり考える。

まだ、まともに彼のことを何も知らない。
知っていることを頭の中に書き出してみるけど、きっとルーズリーフ一枚も埋まらない。
それでも、と両手で彼の輪郭をなぞると、少し伸びた無精髭が指先を擽る。
くい、と押し上げると、反って、色っぽい筋を晒した首にカプリと噛みついた。
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