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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第14章 余談陥入 その1


(二晩も離れたのは、インターンの頃以来か)

スヤスヤと穏やかな寝顔で腕の中にいる🎀の素足に自分の足を絡め、長いまつげが縁取る瞼にキスをする。

「無事で良かった」
ぽんぽん、と頭を撫でてやると、少し疲れたような顔で瞼を閉じている🎀が、同じ素肌の自分の胸に甘えるように擦り寄ってくるからきつく抱きしめる。


腐れ縁の🌸から🎀を取り返し、この2日間、がらんと静かだった部屋がやっと日常に戻った。

車で眠ってしまった🎀が、散々キスして起こしてやった途端、「ローくんだぁ」と寝ぼけた笑顔で心底嬉しそうにするから我慢ならなかった。
空港の時よりも密着して抱き寄せると、あのときはやっと会えた感動で気づかなかった、共有して使っている家のシャンプーと違う香りがする髪が無性に許せなくなって、車内の荷物は放置して🎀の手を引いて自宅に入った。

そのままバスルームに直行して、丁寧に、念入りに全身を洗い上げた🎀の髪を乾かしながらいつもの香りを確認すると、やっと少しだけ気持ちが落ち着く。
風呂と整髪のお礼を笑顔で告げて、お土産がね、と離れていこうとする🎀を担ぎ上げて、ベッドルームに向かう。


彼女が留守の間、自己処理する方法もあったけれど、勤務のタイミングだったりでただ、ただ我慢で流れていった二晩で溜まったそれは、ベッドルームでキスをし始めた時には🎀に負担がないように、と気遣えていたけれど、一度離れた唇を、首に回した細い腕でもっと、と引き寄せられたら、さっさとかなぐり捨ててしまった。

たった二晩で苛つきを自覚するほどに膨れ上がった欲を、旅行で疲れているとわかっていても、目の前にしたら散々にぶつける他なくて、満たされて少し気怠い身体で🎀の髪を撫でながら、それでもしばらくの夜は無理させそうだな、と謝罪を込めて少し汗ばんでいる狭い額にキスを落とした。

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