依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第13章 追いかけるよりも引き寄せて02
お土産と荷物は宅配を手配したので、旅行帰りとは思えない身軽さで飛行機を降りる。
到着ロビーの通路を出ると、ちょっと疲れた顔の腐れ縁がベンチにいて、お前は犬かと言いたくなるような素早さで隣の親友をギュウギュウと抱きしめた。
嬉しそうに抱きしめ返している🎀の顔を見て、この子もちょっと寂しかったのかな、と🌸は微笑んだ。
しばらく熱く抱擁していた二人に、長いなぁ、と思いながら傍らにいたら、あ、と急に何かを思い出したローにジロッと睨まれた。
「🌸、お前、なんのために🎀の隣りにいたんだ」
何かあったか?と首を傾げると、ただでさえいつも寄っているローの眉根がより、近づく。
「あっさりナンパされあがって。」
「あー、あれか。
うん、ごめん。
うまく躱せなかった私にも責任あるわ」
🎀に怖い思いをさせたのは確かだ、と素直に謝っておく。
🎀を腕から開放して怪我とかしてないな、と軽くボディチェックしたローは、🌸に向き直り、問う。
「お前は?」
「うん。ご心配には及ばず」
「ならいい」
すごく楽しくてね、と見上げる🎀を、この世の愛おしいという気持ちを全部織り込んだような視線で見るローに、今日は譲ってやろうかな、と声をかける。
「え、🌸ちゃんも一緒に帰ろうよ」
いいよね?とローに問いかける🎀に、大丈夫、と笑いかける。
今日はローに甘えな、と言うと、🎀は、え、あ、でもと少し頬を赤らめる。
(本当は🎀も早くイチャイチャしたいんだろうし)
まあ、ローの方は自分がいようがいまいが、やりたい放題する性質だけど、と目線が生温くなる。
「なんだよ?」
🌸の目線に、怪訝そうに声をかけたローの肩を叩き、程々にしたれ、と頷く。
「だからなにがだよ?」
「ナニがだよ」
そう答えた🌸に、お前っ!と少し焦ったような声を出して、黙れ!とローは軽く🌸の脚を蹴った。
「だから、なんであんたは私にそんな暴力的なの?!」
「うるせぇ!🎀の前で変な言い回しすんな!」
「意味が通じたんだからいいでしょ!」
「え?なに?何が何??」
あーだこーだと言い合う2人に、🎀だけが首を傾げていた。