第12章 追いかけるよりも引き寄せて01

二日目のスケジュールがこの会議だけだったのはきっと神が味方したのだ。無宗教なので神を信じてはいないけれど。
支所の上層部がセッティングした食事(と言う名の接待)には部下だけ行かせ、シャンクスは自由時間を手にした。
ホテルに戻り、資料や仕事用のカバンなどを置いて、ベッドに腰掛ける。


(観光旅行なら、部屋にいるわけはないか)
2泊3日の旅行と聞いたので明日の何時かの便に🌸たちは乗る。自分は、夜の便を取っているけれど、近い時間帯であることに賭けるか。

会議の合間に飛行機の時間を調べたが、都市圏と地方都市圏の便は、LCCも含めると賭けるにはリスクが高すぎた。
(帰りの便の時間を聞く理由...)
いい案が浮かばなくて、会議の時以上に頭を回転させる。

正々堂々と食事に誘おうか。
向こうに着いてでいい。
夕食ならちょうどいい時間かもしれない。
同行している友人のことを考えると勝率は低い。
🌸も明後日から仕事かもしれないし、そうだとしたら早く帰りたいだろう。
明後日、とさっきまで開いていたスケジュールを思い出す。

「土曜か、」明日は、金曜日。
🌸は公務員だと言っていた。
（休み、か？）

しばらく葛藤して、きっと旅行と移動で疲れている。
自分だって予定通りの飛行機に乗れるかわからない。と言い聞かせて、スマホとのにらめっこを終わらせた。