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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第12章 追いかけるよりも引き寄せて01


再開した会議のちょっと長めの報告に、手元の資料で口元を隠して、くぁあ、とあくびをする。

腕時計を見ると、まだ始まって30分も経っていない。

長く朝食を摂る習慣が無いので、10時をすぎるととたんに空腹に気づいて早く昼にならないかな、と考えるのはいつものことだ。


テーブルにおいていたサイレントのスマホの画面が光るので手に取ると、いくつか本社から業務連絡が入っていてさっと目を通し、急ぎの案件がないことを確認する。

初期設定のままの待受に戻して、プライベート用のメッセージアプリを開く。
昨晩で終わっている🌸との長くないやり取りを見返し、ふむ、と考える。
現在進行系で右から左に流れている声と手元の資料を見比べる。ついでに、テーブルに形だけでも出しておいたスケジュールを捲る。ちょうど、プロジェクトの現状報告から先行発展の話になっていたので遠慮なく開く。

背表紙に挟んでいる航空券は、明日の夕方の便。
向こうにつくのは金曜日の夜になるだろう。
🎀が言うには、同じ日。彼女たちもここを立つはずだ。
何時の便を取っただろうか、と手に持ったままのスマホを見やる。

(聞くだけ聞いてみるか)
返信が来なければ、それでいい。
いや、ほしいけど。

大人しく座って会議に傾聴しているふりを装って、資料から画面へ視線を切り替えた。
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