依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第11章 燻りだしたのはなんだ
彼に一票かな、と微笑む🎀に、ぅう、と押されながらも、Dr.フィアンセに一票!と携帯を掴む。
「なぁに?『Dr.フィアンセ』って、ロー君のこと?」
咄嗟にシャンクスがそう呼んでいた呼称が口をついてしまい、自分のバカッ!と溜息をつく。今度そう呼んでみよう、と楽しそうな🎀を横目に確認する。
「スマホ見るだけでこんなに緊張するなんて」
「完全に恋ね」
🌸チャンかわいい、と楽しそうな🎀。
なんとも言えない顔でスマホを見つめる🌸に、どっちだった?と問いかける。
「...さすが🎀様」「やった☆」
可愛いな、もう!と言いながら、何度もメッセージを読み返している🌸に、内心で(ごめんね)と謝る。
🎀のスマホには、今日はオペが立て込んでいるからメッセージの確認が遅れる旨が、1時間ほど前にローから届いていた。それを承諾したメッセージがまだ既読されていないのは席についたときに確認していた。
彼の性格から言って、婚約者である自分の未読メッセージへ確認返信する前に、🌸に連絡が入ることは考えづらかったので、ちょっとズルした気分だった。
十中八九、昨晩、カフェを出たあとの二人になにか起きてるのは、今朝の🌸の様子から見て取れたし、ホテルを出る時にロビーで明らかに誰かを探していた。
幾度か鳴るスマホをいつも以上に気にしていたし、昨日までは我が婚約者にせっせと写真を送ったりしていたのに、今朝からは待ち遠しそうな顔でスマホを見ては、うーん、と唸っている。
そして、いつも「ロー」と投げやりに呼んでいる彼を「Dr.フィアンセ」と呼んだのが決定打。
ただの直感だけど、昨日の赤髪の彼がそう呼んだのだろうと踏んでいる。Dr.フィアンセも、他人(特に男性)を変わった呼び名で呼ぶから、男性にはそういう決まりがあるのかもしれない。(そんなわけない)
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