依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第58章 新しい道へ
駐車場に車を停め、ドレスシャツの袖をオニキスのカフスで留める。
ストライプのスラックスのセンターラインを整え、磨いた革靴に履き替えて車から降りると、携帯を取り出す。
-もうすぐ会場につく-
🌸にメッセージを送り、シャンパンゴールドのネクタイにカフスと揃いのオニキスのタイピンをつける。
ディレクターズスーツを羽織って、ワックスできっちりと後ろに流して整えた髪が崩れていないか車のウインドウで確認し、白い柵に囲われた式場へと踏み込んだ。
天気いいな、と心地良良い風を浴びながらチャペルの前の整えられた庭先に踏み込むと、ブルーグレーのドレスに光沢のあるシルバーのパンプス姿の🌸を見つけた。
「おにわ、きれー!」
「お花いっぱいね」
彼女が抱くのは、小学生になるかならないかの少女。
花を見ていた少女が、こちらを見た。
「こんにちは!」
元気に挨拶され、ゆっくりと歩み寄る。
「花嫁より綺麗じゃねぇか?」
こちらに気づき、なに言ってんの、と笑う🌸。
「ごめんね、一人行動になっちゃって」
「わかってる。新郎新婦に任せるわけにいかんだろう」
🌸に抱かれた少女が、彼女の親友そっくりで目を見開く。
「この子はハナ。一番末っ子で年長さん」
今度1年生よね、と目線を合わせた🌸に、うん、と頷く。
白のシャツにリボンの付いたジャンパースカートの彼女の頭を撫で、よろしく、と笑ったシャンクスに、こんにちは、とお辞儀した。
「🌸ちゃんの、おともだち?」
「私の恋人。
ロー兄と🎀姉のお友達よ」
おともだち、とゆっくり繰り返すハナ。
「式のお客さん?」
「そうよ」
頷く🌸から滑り降りると、ペコリと挨拶した。
「本日はお忙しい中、ご参列ありがとうございます」
未就学児とは思えぬしっかりとした挨拶に驚き、おめでとうございます、と社交行儀に返したシャンクスに🌸がクスクスと笑った。
「ほとんど娘じゃねぇか」
「17歳違うから、シャンとウタちゃんとそう変わらないわね」
じぃ、と見上げてくるハナ。
「ねぇ!」
パッ、と伸ばされた手に、幼い頃の娘を思い出し、肩車をしてやる。
「ロー兄よりおっきい!」
遠くも見える〜!とハナは嬉しそうにキャッキャッと笑った。