依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第58章 新しい道へ
✜
-そうだったんだ...
ごめんね、何も知らなくて-
🎀が謝ることじゃないよ、と携帯を持ったまま首を振る。
「こっちこそごめん。
禄に見れなくて」
-そんな...
むしろ、シャンクスさんがそんな状態だったのに、みんなのこと任せてごめん-
「子どもたちは、ちゃんと送り届けたから。
ハナとタクは、今日はリナが見るって。
サクとリクは、今日はオールしていいよって約束だったから、ゲーム中じゃないかな?」
-🌸ちゃんは、お家に帰ったの?
シャンクスさんのところ?-
「ううん。式場の近くのホテル。
シャンの会社の産業医さんに連絡取ったら、状態が落ち着いてるなら、そのまま寝かせておいてほしいって...」
-あれ?じゃあ、みんなは?-
まさか部屋にいるわけ無いよね?と聞く🎀。
「えっと、ごめん。
家まで送る予定だったけど、ジャンタク、チャーターして送り出しちゃった...」
本当にごめん、と電話越しに謝る。
-電車で帰してよかったのに!
わざわざ呼んだのっ!?タクシーっ!?-
「いやっだって披露宴の後で時間遅かったし、タクとハナがもう限界そうだったから...
あの状態で電車で帰るのなんてリナが大変すぎるし、初めからタクシー使うつもりだったよ」
-ちゃんとみんなに電車賃持たせておいたよ!-
「みんなも慣れないこととか頑張ってたから!
社会経験だよっ!」
もおー!と呆れたような怒ったような声の🎀。
「タクシー代はお祝いってことで...」
-御祝儀貰ってるのに...-
「みんなにね。今日はお疲れ様」
-こちらこそ。本当にありがとう-
「写真できたら、見せてね」
-絶対ね!
🌸ちゃんも、シャンクスさんが心配だと思うけど、ちゃんと休んでね-
「わかった」
おやすみ、と電話を切り、微かな呼吸しか無いシャンクスを見つめる。
🖤
確かに、シャンクスは彼女をそう呼んだ。
しかし、彼女は妹で本人ではなかったようだ。
あの瞬間は、シャンクスの状態に慌てるばかりで気に留めていなかったが、その名前は確かにあの写真の彼女の名前だ。
似ている、とは思わないが、姉妹が似ていないことはままある。
しかし、彼の記憶の中には、確かに彼女らが鮮明に残っていたのだろう。