依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第57章 オーロジャクソンハウス
船、船と騒ぐルフィに、🌸はシャンクスに声をかける。
「そういえば、小型船舶なら免許持ってるんだっけ?」
「ああ、学生の時にな。船長が持ってた船は、今もここの港にある」
年内に大型取れたらと思ってるんだよなぁ、といつだったか、サロンクルーザーが欲しい、と話していたのを思い出す。
「シャンクス、でかい船買うのかっ」
ルフィの声に、苦笑いするシャンクス。
「そんな直近の話じゃない。いずれって話だ。買うなら大型がいいし、マリーナも探す必要があるからな」
準備は進めてる、と言う。
「乗りたいっ!」
「だからいずれって言ってるだろ」
まだしばらく待て、とルフィの頭を雑に撫でる。
開け放たれたままのドアからハウスに入ると、騒がしい声に奥からエプロンを付けたマキノが顔を覗かせた。
おはよう、と手を振る🌸に嬉しそうに笑う。
「マキノ!弁当、できたか!?」
ワクワクした瞳で問うルフィ。
「弁当?」
なんのことだ?とシャンクスと共に首を傾げた🌸の手を握るウタが説明した。
「『フーシャ公園』でピクニックしたいねって話てたの」
「船に乗るっつったりピクニックしたいってったり、忙しいやつだな」
冷ました料理を詰めているマキノに歩み寄った🌸。
年始に使うような大きな重箱に詰められた大量のおにぎりとおかずたち。
「これっ、全部マキノちゃんが?!」
すごい、と感嘆する🌸に、マキノは嬉しそうに笑った。
「昨日、社長さんと🌸さんが帰った後、二人と『明日は何しようか?』って話をしてたら、近くを🌸さんに案内したいって。途中、フーシャ公園でピクニックして、船にも乗りたいみたい」
「🌸はこの街、初めてでしょう?私とルフィとマキノさんで色んなところ、案内してあげる!」
見上げるウタは、にっこりと笑う。
「嬉しい。学校も見せてくれるの?」
「うん、待ってて!」
駆け出したウタはすぐに戻ってきて、これ!と画用紙を広げた。
「昨日、ルフィと描いたの!今日の探検地図よ。ゴールは港。ハウスからスタートして、通学路を通って小学校見て、フーシャ公園でお弁当食べて、港に行くの!」
「ふふ。予定が盛り沢山ね」
「今日はいつもより楽しくなりそうね」
🌸とマキノの言葉に、ウタは大きく頷いた。