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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第9章 狩人の試行錯誤02


🎀に差し出されたメモを上着の内ポケットにしまうと、目の前の彼女は満足そうに笑ってハニーミルクティーを飲み干した。
途端、ふぁ、と🎀があくびをしたので、時間を見ると23時を指していた。🌸を呼ぶか?と声をかけようとした途端、🎀の瞼は閉じられていてスースーと寝息が聞こえてきた。ついさっきまで、あんなにハキハキと話していたのに。
なるほど、Dr.フィアンセもこれじゃ過保護にもなる、と片鱗を垣間見た気がした。

通話から戻った🌸が、🎀はそういう体質なのだ、と言うので、体調不良とかではないようで安心した。タクシーを呼ぼうとしているようなので、一応、と宿泊先の方角だけ聞いてタクシーを確保に向かう。カフェの会計を済ませ、アプリを開こうとして履歴として行き先が残ると気になるかもしれない、とあえて流しを捕まえた。宿泊先は、すでにポケットに収められているのだけれど、それを今、知られるのは好機じゃない。
内ポケットに入れた名刺ケースから2枚取り出す。
ケースを台に、一方の裏にメモを書き入れる。
ケースを内ポケットにしまうと、ホテルまで十分に足りる額を運転手に渡す。

タクシーで去る間際、🌸に名刺を渡した。
「Dr.フィアンセに」という言葉を添えて。
ちょっとトラップをかけてみたが、シャンクスの中で十中八九、そのトラップは発動する確信があった。
🎀が眠ってしまった事で駆け足で別れたのは好都合だったかもしれない、とポケットの手に触れる携帯に意識を向ける。時間つぶしにフラフラと近辺を歩いていると、携帯がバイブを鳴らした。

[今日は、ありがとうございました]
それだけの文章。
プロフィールの写真が随分と可愛らしいキャラクターに設定されていて、落ち着いた雰囲気とのギャップに緩む口元を手で覆う。
腕時計で時間を確認し、賭けに出る。
[もう少し話せないか?○○ホテルのラウンジでいいなら]
眠っている彼女のこともあるので、賭けは五分、と張る。
[短時間だったら]
即レスの内容に、口元が弧を描く。
その手の言葉は一切信じる質じゃないが、一種の運命なんだろう。

都合はいい、と即座にこれからの自分の行動スケジュールを立てて、[15分後に入り口で]と約束を取り付けた。
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