依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第9章 狩人の試行錯誤02
未来の花嫁様と電話を変わって席を離れた🌸。
少し離れた影で、腕を組んで電話を持っている。
視線を感じてそちらに目をやると、両手に持ったティーカップに口をつけたままの🎀がシャンクスを見つめていた。何か?と声をかけるでなく、首を傾げて問いかけると、んー?と目線を空にやる。
やはり、微かな藤の香りの持ち主は🌸か、と🎀の返しを待っていると、ニパッと笑って手にしていたティーカップをソーサーに置いた。
「🌸ちゃんってね、とっても真面目で面倒見がいいの」
突然の🎀の言葉に一息空いたが、わかる気がする、と心中で納得して口では、そうか、と言う。
「好きな食べ物は、んー?なんだろう?何でも食べるけど、和食が好きね。
お酒も嫌いじゃないけど強くはないかな?お酒を飲む場にいるのは好きって言ってた。酸っぱいものが得意じゃない。けど、柑橘の香りとレモンの風味は大好き。コーヒーはめったに飲まなくて、紅茶と緑茶が好き。それに合うお菓子も好きよ。
趣味は、何かしら?あ!古い映画を見ること。私達が生まれる前のものとか、名作者の映画を見るのが好き」
テーブルに肘をついて指を絡めた所に顎を乗せて、🎀はニッコリと笑った。
「あとは、何が知りたい?それとも、ゆーっくり時間をかけて、本人から聞く?」
2,3回瞬きをしたシャンクスに、🎀は続けた。
「🌸ちゃんの性格的に、あんまり駆け引きはしない方がいいかも。言葉遊びはすごく得意だし、素直じゃないから。
いつもどこか自分のことに自信がなくて一歩踏み出せなくて、それを後悔しちゃうタチだから。もし、シャンクスさんが本当に🌸ちゃんといたいなら、ド直球!ってくらいに態度に出してあげないと、多分気づきもしないわ。」
電話に向かって、少し声を荒らげている🌸を見て、クスクスと笑う🎀。手を膝に置くと、シャンクスに向き合って口角を上げた。
「目で語ったって、気づかれなきゃ意味がないわ。まともに見つめ合えないほど意識されてるのは、気づいてるでしょう?」
あなたほどの人なら、とテーブルの上を滑るようにシャンクスに差し出したのは、あるホテル名が書かれたメモ紙だった。