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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第55章 思わぬ再会


「ん、」
膝の上で何かが動くのに気づいて目が覚めた。
目を開けると、膝を枕に寝ているウタ。

しばらくぼんやりして、ああ、と思い出す。

はっきりしてきた意識に、エンジンはかかっているが走行していないことに気づく。
運転席に赤髪の後頭部が見えて、小声で声を掛ける。
「シャンクス、」「ん?起きたか?」
うん、と振り向いた顔に頷くと、ウタはまだ寝てるか、と下を見る。
「ついたぞ」
前に目を向ける彼に、少し上体を伸ばして前を確認する。

「オーロジャクソンハウス」
シャンクスの声に、ここが、と少し身を乗り出す。
変わった形の建物。まるで船のようだった。

耳を澄ますと、遠くで微かに潮騒がする。
寒いからな、とシャンクスが上着を羽織ってドアを開ける。
吹き込んた風が、確かに冷たい。
ウタを背負うシャンクス。待って、とウタを膝掛けで覆ってやり、荷物を持つ。


階段を上がって、ログハウス風の木製の扉にはランプが掛かっている。
ランプ下の呼び鈴を押すと、バタバタと足音。

「ルフィだな」
よ、とずり下がったウタを背負い直し、ちょっといたずらっぽく笑うシャンクス。

「おかえりっウタ!」
ガチャガチャ、と鍵を開ける音がして、勢いよく開く扉から飛び出してきたのは、短髪の黒髪で活発そうな男の子。
「ルフィ、ウタは寝てるから静かにな」
シャンクスの声に、え、と顔をあげると、驚いて瞬きする。

次の瞬間、キラキラと瞳が輝く。
「シャンクスっ!」
まるでサンタクロースにあったかのように興奮している。

「シャンクスだっ!マキノ〜!シャンクスが来たぞっ!」
中に向かって叫ぶルフィを、シーだ、シー。とシャンクスが宥める。モゾ、と動く感触に、あーあ、とシャンクスが苦笑いする。
「あ、ウタ!お前、寝てたのか」「ルフィ?」
だからそう言っただろう、と嘆息したシャンクスが、着いたぞ、とウタを背中から下ろす。

「おかえり、ウタ」「ん、ただいま」
寝ぼけているウタを、大丈夫か?と覗くルフィ。
「シャンクス、と🌸は?」
「シャンクスは後ろだぞ?🌸は知らねぇ」
え?と顔を跳ね上げたウタに、シャンクスが声をかける。

「落ち着け、ウタ。🌸はここにいる」
シャンクスの声に振り返ったウタは、良かった、と🌸に抱き着いた。
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