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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第55章 思わぬ再会


レストランを出てすぐのコンビニに立ち寄る。

ウタに手を引かれて店内に入り、ボトルの紅茶と最近飲んでいるのを見ない、以前はよく車内に空き缶があった銘柄のコーヒーを手に取る。
奥の陳列棚に並ぶパックのジュースを手に取るウタ。
遅れて入店したシャンクスが、それを取り上げて棚に戻した。

「溢すだろ、蓋付きのやつにしろ」
「ええっ?このいちごミルクが好きなのに」
黙ってペッドボトル入りのそれを手に取るシャンクスに、ちえ、と言いながらもウタは従う。
🌸が持っていた2本を受け取り、トイレ行きたかったら済ませとけよ、とシャンクスはレジに向かう。

ウタと入れ替わりにトイレを出ると、喫煙スペースで煙草を咥えるシャンクスと、風上で彼と戯れるウタ。
高い位置から落とす袋を捕まえようと手を伸ばすウタが、なかなかキャッチできずにいるのを楽しそうに見ている。
店を出ると、また、取り損ねたウタがもう一回!とシャンクスに強請っている。

「おしまいだ。🌸戻ってきたぞ」
🌸!と抱きついてきたウタを受け止める。
「おまたせしました」
「いいよっ!遊んでたから」
楽しそうだったね、と話しながら車に乗り込む。


走り出した車が高速の入り口に向かう。
ゲートを抜けると、ぐんと速度が上がる。
「わっ!見て🌸!」
隣のウタが指差すのは、キラキラとした工業地帯の光。
ルームミラーで後部座席を確認したシャンクスは、走行車線を一番外側へ移した。
「きれいだねぇ」「初めて見たぁ」
暗闇の中の明かりに喜ぶ二人。

速度を安定させると、🌸と乗るようになってからほとんどつけることのなかったカーステレオをつけた。
ハウスがどんなところかとか、ルフィがどんな子かとか話していたウタは、時折、有線から流れる音楽に、これ知ってるー、と口遊んだりしていた。


しばらく走って、カーステレオの音だけが流れる車内にシャンクスがルームミラーを見る。
座席に身を預けて目を閉じる🌸の膝を枕に、すやすやと眠るウタ。

カーステレオを切ると、いつも常備している小さな飴を口に含む。
走行音の中に、カラコロと飴が転がる音が響いた。
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