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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第54章 小さな訪問者



「ウタ、」「やだ」

玄関先で膝をつく🌸は、サンダルで三和土に立つシャンクスを見上げる。

「🌸は病み上がりだ、連れていけない」
「じゃあ私も残る」
全く、とシャンクスがため息をつくと、やだよ、とウタは🌸の首に抱きつく腕を締めた。

シャンクスは、ウタをハウスに送るためカーキーを手に取り、🌸に留守番させようとすると、嫌だ!とウタは🌸にしがみついて離れなくなってしまった。

「🌸もハウスに連れて行く」
「おいおい、🌸はぬいぐるみじゃないんだぞ。それに連れて行かれちゃ俺が困る」
「シャンクスなんか、困っちゃえ」
「お前なぁ、」
「🌸も一緒じゃなきゃ帰らないもん」
「弱ったなぁ」

ここまでベッタリとは、とシャンクスは玄関先に座り込み、🌸の膝で抱きついているウタの頭を撫でる。
「今度、🌸とハウスに行く」
な、と🌸に同意を求めると、うん、と頷いてトントン、とウタの背中を優しく叩く。
「シャンクスの言葉は信じない」「うっ」
今日の発表会をすっぽかした前科により、ウタからの信用は皆無まで落ちてしまったようだ。
打つ手がないぞ、と目を泳がせるシャンクス。


「私も行こうかな」
ウタちゃんのお家、と言い出した🌸に、ほんとっ⁉とウタは目を煌めかせ、シャンクスは焦った。
「往復何時間かかると思ってんだっ」
「え?そんなに遠いの?」
小学生ひとりが来る距離なので、そう遠くないと思っていた。
「車で高速使っても片道2時間かかるぞ」
「え、ウタちゃんどうやってきたの?」
膝のウタを見下ろすと、車だよ?と首を傾げる。

「音楽の先生に送ってもらったの。帰りもゴードンさんと帰る予定だったんだけど、シャンクス来なかったから先に帰ってもらって、私は発表会の会場から電車でここまで来た」
なるほど、と頷いて、シューボックスの上にある時計を見上げる。しかめっ面の彼に目線を移すと、ん、と眉を跳ね上げた。
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