• テキストサイズ

依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第53章 彼女の真実


診察させてください、と白衣から取り出した体温計を渡される。

「痛むところとか、ないっすか?」
「はい」「手、いいっすか?」
右手を差し出すと、脈を診る。うん、と頷いてそっと手を下ろすと、失礼しますね、と首筋に触れる。
「口、開けてください」
遠慮がちに開けると、いいですよ、と手が離れる。
ピピピッと終了音がした体温計を渡す。
「熱はないっすね。最後、胸の音聞かせてください」
聴診器を耳に当てるホンゴウ。

ブラウスのボタンを外そうとした🌸の手を、隣で黙って見ていたシャンクスが掴んで止めた。
「下、なにか着てるのか?」「へ?」
🌸のシャツの首元を少し開いて覗き込む。
肩紐の細いレースのキャミソールに、眉間にしわが寄る。
「下着じゃねぇか」
だめだ、と1つ外していたボタンを戻される。

ははっ、とおかしそうに笑ったホンゴウは、じゃあ下から失礼しますね、と裾から聴診器を差し込む。
心臓付近の音を少し長く聞くと、うーん、と言って聴診器を外す。

「眠りの症状の頻度は?」
「うーん、ごく、偶に?」
「いつ頃から?」
「えっと、確か高校生くらいだったかと」
「もう一回、手、いいっすか?」
指先で脈を再び取るホンゴウに、シャンクスが、おい、と心配そうに声を掛ける。ありがとうございます、と🌸の手をおろした。

「不整脈、徐脈気味っすね。心音の割に脈が遅い。ただ、少し緊張もあるみたいなんで」
ね、と向けられる顔に、すいません、と俯く。
「まずいのか?」
険しい顔のシャンクスに、そうっすねぇ、と腕を組む。
「今すぐどうこうってことはないっす。けど、今回みたいなことが続くなら、精密検査勧めたいっすね」
ホンゴウの言葉に、シャンクスから痛い目線を向けられた🌸は、そっと布団を引き上げて目線を逸らす。

「自覚してたのか?」
「疲れが、溜まってるのかな、と」
嘘つけ、と早めに否定されて、うっと縮こまる。
はあ、とため息をついたシャンクスは、一瞬ホンゴウを確認して、少し覚悟したような顔でポケットから何かを取り出す。
「『仮面の男』について話せ」
アメリの似顔絵を見て、あ、と零した🌸。
ピクリと片眉を上げたシャンクス。

「動けるようなら、動いてもらって結構ですよ」
ホンゴウが🌸に掛けた言葉に反応したのは、シャンクスだった。
/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp