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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第49章 JEALOUSY


着替えも何も用意してなかったな、と風呂場のドアを開けると湯気が脱衣所に逃げていく。
物干し竿にかかった肌触りのいいバスタオルで水気を拭くと、脱いだ服のかわりに洗濯中の洗濯機の上に着替えがあった。
前に🌸に着せた白のトレーナーは、タオルと同じ柔軟剤の匂いがする。

首にかけたタオルでガシガシと髪を拭くと、はちみつの香りが立つ。

部屋に入ると、🌸から冷えたお茶を受け取る。
「夜、食べた?」「ああ」
ん、と頷いてキッチンに戻る🌸。
カウンター越しに空になったコップをシンクに置く。
「🌸、」
「明日のお弁当の下拵えするから、シャンクス、休んでていいよ」
シンク下にしゃがみ込むと、戸棚を開けてボウルに米を入れる。

蛇口から出ていた水が、キュッと止まる。
「ごめんね」
袖をめくって俯く🌸。
「ちゃんと話、聞こうとしなくて」
ザッザッと米を研ぎながら、ごめんなさい、と呟く。
「勘違いさせるようなことした、俺も悪い」
違う!と跳ね上がった頭を撫でる。

「今度、ルフィとウタに会わせたい」
うん、と頷く🌸に、それと、とカウンターに寄りかかる。
「マキノさんには9歳年下の『いい人』がいる」
「...えっ?!」
「あ、マキノさんは🌸と同じ年だぞ」
いや、ひとつ上か?あれ?と顎髭を撫でる。

「ま、その辺は本人たちの事だ。言いたいのは、俺とマキノさんがどうこうなるってことはないってこと」
雇い主の一人と従業員、と優しく笑う。

米に濡れ布巾をかけて作業台に置いた🌸が、うん、と頷く。

「妬いたのはお互い様さ」

おいで、と腕を伸ばすと暖簾を潜ってキッチンから出てきた所を引き寄せる。

「不安になったり、少しでも疑わしかったらちゃんと言ってくれ」
甘い香りの髪に鼻先をうずめ、細い腰を腕を回す。
「全部、ちゃんと説明する」
できる、と狭い背中を優しく撫でると、背中に手を添えてくれる。

「愛してる」
🌸だけだ、と腕に力を入れる。
「私も、愛してる」
ギュッと抱きしめると、苦しいよ、と笑う。

腕の力を緩めて柔い頬に手を添えると、少し身を屈める。
ほんの少し、踵を浮かせた🌸の体を引き寄せる。
ちゅ、と触れた素の唇。
シャツを掴む手に指を絡めると、強く握った。

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