依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第49章 JEALOUSY
あ、う、あの、と意味もなく口から言葉が漏れる。
「二人はここの子ども。たまたま病院で会って、遊べとうるさいから構ってやったんだ」
ローテーブルに肘をついてじぃっと見てくるシャンクス。
小さくなって見上げると、長い腕が伸びてくる。
身を縮こませると、ポス、と大きな手が頭に乗る。
「誤解は解けたか?」
ごめんなさい、と謝ると、髪をくしゃくしゃと優しく撫でられた。
「あんなデカい子供がいるわけ無いだろう」
「あの子達、10歳前後でしょう?20歳前後に生まれたとしたら、年齢的にシャンクスが父親でもおかしくないよ」
「ウタはもう12歳、」
言いかけてハッとする。そうだ、彼女が生まれたとき、両親はまだ10代。シャンクスとルフィやウタとの年齢差とそう変わらない。
「悪かったな」「いや、私が先走っちゃって」
髪を撫でていた手が、頬に触れる。
「浮気通り越して不倫を疑われるとは思わなかった」
ふぅっ、とため息をつくシャンクス。
「ご、ごめんなさいっ」
テーブルの上の右手を握り込んで謝ると、頬の手が輪郭をなぞる。
🌸、と名前を呼ばれて顔をあげる。
「仲直り」喧嘩したわけじゃないが、とキスをする。
ちう、と軽く吸い上げられる感触にシャンクスが薄目を開けると、微かに震える🌸の睫毛。
細い二の腕を掴んで引き寄せると、脚の間に囲って抱きすくめる。
シャツを掴む手に指を絡めると、ギュッと握り返してきた。
あいた手を🌸の髪に差し込んで梳く。
「っ!」「ぁ、」
肩を掴んで離した🌸が、驚いて目を瞬かせている。
「🌸、」
なに?と首を傾げる顔に眉を顰める。
「誰といた?」「え、あ」
一瞬の間に🌸を抱き込んで、すぅっと深く首もとの熱を吸う。
いつものはちみつの香りが薄い。
そして、独特の甘い香りが混ざるそれは、自分が好む銘柄とは違う香り。
脳裏に掠めた、白髪の男。
「あいつか、」「あの、」
なにか言い出そうとした🌸の首筋。
奴がまだ彼女に未練があるように思えて、ガブリと噛み付いた。