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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第49章 JEALOUSY


ほら、と差し出された携帯の画面。
赤と白の髪を持つ女の子が、おもちゃの王冠をつけてニッコリと笑っている。

シュッと彼の指先で動かされた次の画面には、オレンジのパンツ、白Tシャツの上に黒のシャツを羽織って座り込む彼。今と同じ格好に、今日撮られたものだと気付く。
頬に絆創膏をつけた男の子が左肩にしがみついているのを、さっきの女の子が反対側の右肩に飛びついて押し返している。

もう一度切り替えられた画面には動画。
ガサガサと言う音の後、パッと映ったのは見慣れた運転席の彼。
-ウタ、勝手に人の携帯いじるな-
-なんでー?あ、見られちゃイケナイもの入ってるんだぁ-

ニョキッと画面いっぱいに覗き込むのは、黒髪の男の子。

-何撮ってんだ?-
-あっ、ルフィはあっち行って!シャンクス撮るんだから-
-シャンクスのスマホでシャンクス撮ってどうするんだ?-
-ゴードンさんに送ってハウスのパソコンにコピーしてもらうの!いいから早くどいてっ!-

グラグラと揺れる画面に、ルームミラー越しの彼の目。

-おい、大人しくしてろ-
-ルフィがじゃまするから怒られちゃったじゃない!-
-別にウタのじゃましてねぇよ!-
-したわよっ-
ごとん、と携帯が落ちて車内ルーフを映す。
伸びてきた大きな手がそれを掴んだ。指先が触れたのか、インカメに切り替わる。
-ほら、着いたから降りろ-
後部座席に向いていた顔が画面を見る。
-ったく、なんでガキってのは携帯いじるのが好きなんだ-

呆れ顔の彼で動画が終わると、ローテーブルの上の携帯が回収される。
「見たのはこの二人だろ?」
少し長く携帯を操作して、再び画面を向ける。
「迎えに来てたのはこの人だな?」
集合写真らしきものを拡大し、この人、と深い緑の髪の女性を差す。
コクリと頷いて見上げると、ため息をつかれた。

「施設の指導員だ」
「指導員?」
そう、とまたいくらか携帯を操作して画面を向けられる。
「オーロジャクソンハウス」
赤と金を主とした船のような形の建物。真っ赤な屋根に白で『GOL・D・ROGER』と書かれている。
ここ、と画面から目線を彼に移す。
「俺やバギーが育ったところ。今は、レイさんが責任者でボランティアや自治会の支援で運営してる」
REDForceやバギーズデリバリーも金銭面などを支援しているという。
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