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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第49章 JEALOUSY


脚の汚れた🌸を抱き上げて部屋まで戻ると、バスルームに放り込む。
涙でびしょ濡れの顔、汚れた脚をちゃんと洗うように言いつけて、戸を閉めた。

玄関の三和土に並ぶヒールを手に取る。
右のヒールカープ辺りに亀裂が入り、ベースからぐらついている。間違えて履かないよう、ゴミ箱に放り込んだ。

🌸の富んだ勘違いの原因は何だ、とリビングの座布団の上に座り込む。
ガチャ、と開いたドアに顔をあげた。
「ぁ、あの、着替えを」
トタタ、とリビングを横切って、カーテンの向こうに入る。
タオル一枚の🌸に、まったく、と溜息をつく。
引き出しが出し入れされる音、布擦れの音が変な気を掻き立てる。
今はそれどころではない、と勝手知ったるなんとやら。
立ち上がり、キッチンでグラスに冷蔵庫の水を注いで飲んだ。

リビングに戻ると、グレーとブラックのボーダーのトレーナーに、ホワイトラインのジャージでちょこんと座る🌸。
前を横切って左横に座ると、じっと横顔を見つめる。
「あ、なにか飲む?」
「いらないから座れ」
立ち上がりかけた🌸に、トン、とテーブルを指先で打つと、はい、となぜか正座。

「なんで、結婚して子供がいるなんて言い出したんだ」
「夕方に、駅で、見て」
夕方の駅。
なるほど、とため息をつく。
🌸は、マキノにルフィとウタを引き渡したところを見たのだろう。確かに、あの場面だけを見たのなら、勘違いするかもしれない。

「なんで逃げ出したんだ」
合鍵を持ってるのはわかってただろう、と右手で頬杖をつく。
「離れて暮らす子供と会った後に来るわけ無いと..泥棒か不審者かなって」
おもむろに上げた左手の親指に中指の先を引っ掛ける。
「想像力豊かか」「だって、...っ!!」
顔を上げた🌸の額めがけて弾くと、パチン!となかなかいい音が鳴った。
デコピンされた額を抑えて悶絶する🌸の頭を雑に撫でる。

「部屋に連れて行った時、恋人もセフレもいないと断言しただろ」
「そう、だけど」
スッと目を細めて左手を上げるシャンクスに、すいません、と額を隠して少し離れる。
「なんつぅ妄想してんだ」
「いや、ほら...愛人の一人や二人いそうかな、と」
「お前は俺をなんだと思ってんだっ⁉」
シャンクスは、ああもう!と髪をかき乱した。
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