依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第48章 愛し子よ
「シャンクスさんにご迷惑かけないこと!」
「「はーい!!」」
今度はどっちが助手席に乗るかで揉めたルフィとウタは、頑なに後部座席に乗るようすすめるシャンクスに、仕方なく横並びで座った。
「お小遣いは使いすぎないこと!」
「500円までならいいんだな?」首にかけられた蛙を象った財布を嬉しそうに振るルフィ。
おしゃれに目覚めたウタは、服に合わせた色のバッグに、お小遣いの入った可愛らしい財布を仕舞い込む。
「ねぇシャンクス、私クリミナルの本店に行きたい」
運転席と助手席の間から身を乗り出し、スマホの画面を見せてくるウタに、ドライブっつったろ、と呆れ声を出しながらも目線を向けてやる。
「ウタが行くところは面白くねぇ!」
服とキラキラしたもんしかねぇ、と口をとがらせるルフィ。
「喧嘩はしないこと、ね?」
マキノに言われた二人は、はーい、と大人しく返事をする。
「適当に遊ばせてくる。たまにはゆっくりしてくれ」
いつも騒がしいだろ、といがみ合う二人を見るシャンクス。
「ありがとうございます」
二人にマキノへ手を振らせて、車を出す。
「て、どこに行くんだ?」
「クリミナルの本店」「冒険できるところ」
なにっ?とルームミラーに睨み合う二人が写る。
「買い物!」「冒険!」
「冒険なんてしたら、洋服が汚れちゃう!」
「買い物なんてどこでもできるだろう!」
「ラフテル町にはクリミナル無いんだもん!冒険こそ、ハウスでいつでもできるじゃない」
「知らないところを冒険するのが楽しいんだろっ!」
遊ぶ気満々だな、と上階にプレイグラウンドがあり、クリミナルの本店が入る駅ビルの方へ車を向けた。
あれだけ文句を言いながら、ウタの買い物に付き合ってやったルフィは、子供っぽいと言っておきながらキャッキャと楽しんでいるウタと共に他に利用者のいないプレイグラウンドを駆け回る。
たまには平日に学校を休んで遊ぶのもいい経験になる、と止まらない二人に声を掛ける。
「あと15分したら出るぞ」
「えっ!もうかよ」「ルフィ、最後にあれで競争しよ!」
キックサイクルを指差すウタに、負けないぞ!と鼻息を荒くするルフィ。
ベンチのに腰掛けたシャンクスの傍らにあるショッパーには、ウタが入念に選んだ髪飾りとルフィが選んだピストルのおもちゃ。
遊び回る二人に、🌸がいたらと想像して口元が緩んだ。
