依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第47章 不安は不安を引き寄せる
「シャンクスさんは、🌸ちゃんのこと、知ってたってこと?」
高層マンションの最上階の角部屋。
家主の一人である🎀に、ううん、と首を振って入れてもらった紅茶に砂糖を一つ入れてかき混ぜる。
「ベックマンさん...あ、『REDForce』の副社長さんが面識あるみたいで、小さい頃の私も見たことがあるって」
「なんだか変な関係」
ね、と同意して紅茶のカップを持ち上げた。
「それで、聞きたいことって?」
「あ、うん、えっと」
自分から言い出したくせに、🌸は手元の紅茶を見つめて、あのね、とたどたどしく話し出す。
「ほら、あのー、🎀もローと結婚するにあたって、その、俗に言う『娘さんをください』的なことがあったのかなぁ、と」
🎀の場合、お姉さんをください、かと割とどうでもいいところを訂正する🌸。
「うーん、うちの場合、弟妹たちとロー君がすでに友達みたいな感じだったから、結構サラッと『結婚することにしたから〜』って感じだったんだよねぇ」
本当にさらっと報告って感じで、と言う🎀。
「ロー側の家族には?」
「挨拶行ったよ?でも、ほとんどロー君が事前に話しててくれたから、久しぶりだねー大きくなったねぇって感じで、どちらとも『はじめまして』『よろしくお願いします』って感じじゃなかったの」
なるほど、と難しい顔をする🌸に、🎀はココアの入ったマグカップを置いて、まさか、と目を瞬かせる。
「『親に会わせてほしい』って、言われて、しまって」
「嘘ぉ!シャンクスさん、気早すぎ...」
自分の旦那のことは棚に上げるのかい?と苦笑する。
「すぐにってわけじゃないよ。なんか、色々片付けたいこと?があるみたいで、それが終わったら会いたいって」
それで、と紅茶の水面を見つめる。
「それって、そういうことなのか、ただ過去の事で会ってみたいとかそんななのかなぁ、とか」
「後者にはなんの意味があるの?十中八九前者でしょ」
バッサリ言い切った🎀。
ですよねぇ、とあの時、彼が指先で撫でた左の薬指を見つめる。
「どう切り出そう...」
困ったなぁ、と俯く🌸。
珍しく弱々しい🌸に、🎀は🌸の両親とシャンクスが居合わせる様子が想像できなくて首を傾げた。