依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第46章 Heart Beat
ふぅ、と顔をあげたシャンクスの瞼に幾度もキスをする。
「どうして痛むと気づいた?」
少ししっかりした声で、目を閉じたまま問うてくるシャンクスに、えっと、と口籠る。
膝立ちで彼の腰を跨ぎ、胸に赤髪の頭を抱く。
「前に、薬を飲んでるところ見ちゃって」
ビクッと反応したシャンクスの頭を撫でる。
「傷のことを初めて聞いた日の夜」
ギュッと胸に抱き込んで、柔らかい髪に口元を埋める。
「夜に目が覚めて、隣にシャンクスがいなくて探したの」
軽いキスをする。
「その時にキッチンで」
黙っててごめん、と謝る🌸の腰に腕を巻きつける。
ことごとく格好つかないな、と少し高い位置にある顔を見上げるシャンクス。
「お薬、飲まなくて平気?」
「🌸のキスが効いたかな」
だから大丈夫、と戯けて笑う頬を軽く摘んだ🌸の手を掴み、頬を擦り寄せる。
「🌸に出会う前は、もっと頻繁に夢に見て、薬に頼っていた」
夢に見ると眠れなくなるんだ、と瞼を伏せる。
「あの日も薬を飲んだが、あんなに早く寝付けたのは初めてだった。それに、一週間、薬を飲まずにまともに眠れたのはもう何年ぶりか」
甘えるような仕草で体を抱き寄せてくる。
「初めて🌸の部屋で目覚めた時、3時間以上自力で眠っていたことに驚いた」
ヤッたあとの疲れもあったんだろうけど、と戯けてみせた。
「何が良かったのか分からなくて、あの後、🌸と同じ藤の香りのものを用意したり、同じシャンプー使ったり、丸めた布団抱きしめてみたりしたけど、しっくりこない」
しっかりと確かめるように抱きしめて、頷く。
「本物じゃなきゃ、だめだな」
見上げて笑う額にキスをした。
「眠れない時、心音聞くと落ち着くっていうもんね」
「そうなのか?」
再び抱きつき、ちょうど目の前にある谷間に耳を寄せる。
トクトクと少し早く響く心音に、シャンクスは目を閉じた。
「本当に寝そうだ」
パチ、と目を開け、驚いた顔のシャンクス。
「安心するんだろうね。ひとりじゃないって」
穏やかに笑う🌸を見上げる。
再び心音に耳を寄せると、穏やかに生命を脈打っている音が無性に愛おしくなって、一つも聞き逃さまいと目を閉じた。