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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第45章 過去の真実を知るひと


パタタッ、と立て続けに落ちた涙。
🌸、とシャンクスに名前を呼ばれても、顔を上げられずにいた。

立ち上がったシャンクスが、リビングのローテーブルの下にあるティッシュを取って戻る。
二、三枚引き出して、ほら、と優しく🌸の手に握らせた。

「ちょっと、二人にしてくれるか」
俯いて顔にティッシュを押し当てる🌸の背を撫で、シャンクスはベックマンに、頼む、と笑った。
「書類は、データベースからプリントしたものだ。処分してもらって構わない」
わかった、と頷いたシャンクスを一瞥して、邪魔したな、と手を挙げる。
閉じられた扉のすりガラスの影が遠くなり、少しして玄関ドアが開閉する音がした。オートロックがかかる。

冷蔵庫のモーター音が鳴る。
嗚咽も溢さずに泣いている🌸の隣に片膝をつくと、クシャクシャにティッシュを握り込む両手を撫でて開く。
新しいものを握らせて顔を覗き込むと、左右の目尻から顎先に涙痕。
掌で頬を包んで、次々溢れてくる涙を、指先で拭ったり目尻に口づけたりして拭う。

涙が止むまで、そうしていた。
少し落ち着きを取り戻した🌸が、鼻を啜って上を見上げる。
「謝らなきゃ、私」
「両親にか?」
うん、と頷いて少しだけ笑う。
「ベックマンさんにも...きっと、すごく驚いたと思うから。昨日のうちに話さなかったのは、きっと色々気を使ってもらったんだろうし」
優しい人だね、と微笑む🌸。
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