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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第43章 RED Force


ガシャン、と音を立てて袋に落ちる瓶。残りの缶も放り込まれていく。
「ありがとうございます」
無言で片付けていくベックマンから返事はなかった。

(カン・ビンは混ぜてよし、っと)
覚えておこう、と頭の端にメモする。
彼のそっけない態度に少し、慣れてきた。
口数が少ないのは元からのようだし、あまり異性に好意的な方でもないのだろう。
ゲームに参加する様子もなく、以前から彼のポジションはここだったのかも知れない。

「ベック!」
赤ら顔で来い!と手招くシャンクス。
「シューティングならやるだろ?賭けろよ〜」
コントローラーをピストル型のアタッチメントにつけて構えてみせる彼を、黙って見ているベックマン。

「どうぞ皆さんと楽しんでください」
ここは任せてください、と笑いかけるが、しばらく黙ってキッチンを見る。キッチンを見回すと、何も言わずにリビングの方へ向かってコントローラーを受け取る背中。


「一回戦目は、俺とな」
同じコントローラーを手に立ち上がるヤソップ。隣でベックマンが慣れた手付きでコントローラーを構えた。
ラッキー・ルゥの合図でゲームが始まる。


スタートしたゲーム画面を見ながらグラスを空にしたシャンクスが、キッチンの方へ来た。
「悪い、片付け任しちまって」
「好きでやってるから、いいの」
見てるの楽しいし、と敵をどんどん撃ち倒していく二人に、みんな上手だね、と呟く。

カウンターを回ってしゃがみ込んだシャンクス。
「🌸」
つい、と袖を引かれて目線を下げると、クイクイと腕をひかれる。

「なに?」
チラ、と目線を反らした彼に近づこうと膝を曲げる。
床に片膝をついたとき、腕を掴んだ手を引きつけられて抱き込まれる。
「んっ」
一気にアルコールの香りを近く、強く感じる。

投げ出されていた彼の脚が背中の腰の辺りで絡められ、頬に温かい手が添えられた。
「ふっぁ」
ぐっ、と首の後ろから引き寄せられ、アルコールの味がする熱い舌が侵入してくる。
ぬる、と濡れた感触で口内を舐め回したそれに自身の舌を絡め出されると、ぎゅっと目を閉じる。
ぢゅっ、と強く吸い上げられる音がリビングに聞こえやしないかと思うと、ビクン、と大きく体が跳ねた。
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