依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第43章 RED Force
ええっと、と困った様子で頭を掻くシャンクス。
彼がかけるリビングのソファの左側に、ベックマンとヤソップ。シャンクスの向かいのラグにラッキー・ルゥ。
3人の目線は、キッチンにいる🌸に向けられている。
「そんなに気になるか」
苦笑するシャンクスは、🌸、と声をかけて隣に来るように手招いた。
座れ、と隣を叩く彼に従うと、スッと肩を回った腕に引き寄せられる。
「🌸。年は23。3ヶ月ほど前から付き合ってる」
へぇ、と言ったヤソップとルゥから向けられる好奇の眼差しと、腕を組むベックマンからの刺すような目線。
「よろしくお願いします」
耐えられずに俯いて膝の上で固く拳を結ぶ。
緊張で瞬きが増える🌸が、そっちのが、と無遠慮に指差すシャンクスの左手を押し下げる。
「皆さんの名前は、さっき聞いた」「そうか?」
えっと、と向き直り、各々に目線を向けながら名前を確認する。
「飲食部統括の、ルゥ、さん。技術部統括のヤソップさん、副社長のベックマンさん」
ね、と隣を見上げた。
「🌸、といったな」
低く、落ち着いたベックマンの声にスッと背筋が伸びる。
「はい、」相変わらず鋭い目線が向いていて息が浅くなる。隣のシャンクスが苦笑した。
「ベック、🌸が怖がってるだろ。もう少し優しくしてやれ」
顔が怖いんだよ、と軽口でいう。
「...悪いが、これが地顔だ」一瞬シャンクスに向いた顔が、再び向けられる。
「学生か?」「いえ、働いています」
まるで面接官への対応のように固くなる🌸。
「社教センターの職員」ミルクだけ入ったコーヒーを、くっ、と一口飲んでシャンクスが続ける。
「頭とはどこで出会った」
かしら?と聞き慣れない呼び方にちら、と隣を見上げると、カップに口をつけたままにこり、と笑う。彼のことを指す単語らしい。
「友人との旅先で。助けてもらいました」
「助けた?」今度は目線がシャンクスを向く。
「ナンパに捕まって困っていた様だったから、つい、な」
コト、とカップをテーブルに置き、ソファに深く腰掛ける。
じっとふたりを順番に見つめたベックマンは、詳細を聞き出そうとするヤソップに向き合う横顔を凝視していた。