依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第43章 RED Force
数分前
「よかったら、どうぞ」
ダイニングテーブルに置いたお茶を、どうも、と手前に座ったドレッドヘアの男性が奥に送ってくれる。
帰宅して購入品を片付けていると、訪れた客人。
インターホン越しに家主が下階にいることを伝えると、じゃあ待つか、と言い出して、開けてください!と言われるがままに出迎えた。
じっと向けられる6つの目に俯く。視線でやり取りした3人が頷き、恰幅のいい、サングラスの男性が、人当たりのいい笑顔を向ける。
「お嬢ちゃん、名前は?」
「🌸です」
「俺は、ラッキー・ルゥ。『レッドフォース』の飲食部統括」
よろしく、と丸いサングラスの下の瞳が笑う。
「ヤソップだ。技術部の統括をしている」
ルゥの手前にかけたドレッドヘアの男が、灼けた顔に白い歯を見せた。
「ベン・ベックマン。頭の補佐で副社長だ」
にこやかな二人の向かいに座った長身の彼から、少し鋭い目線を向けられる。
その目線に、うっ、と少し詰まると、ラッキー・ルゥと名乗った恰幅のいいの男性が、サングラスの下で目を細めた。
「🌸はいくつだ?」「23です」
ピシッと一瞬凍った空気に、え?と見回す。
「ルゥより年下なのか」
ボソリ、と言ったヤソップに続き、ベックマンが口を開く。
「君は、なぜ、ここに?」
(なぜ?と問われますと、)
どう答えたら、と返事に困っていると、ガチャン、と玄関が開く音がして咄嗟にそちらを向く。
ここで待つべきか出迎えるべきか悩み、細く開けたドアから玄関へ声をかけた。
機材を持って帰ってきた彼は、足元に増えている靴に気づいて、首を傾げている。
リビングからヤソップの声が聞こえて、あのね、と声をかける。
「どうしたらいいか、分からなくて...とりあえずリビングにお通ししました」
キョトン、となお玄関で首を傾げている彼に、と会社の人が来てるよ、と歩み寄る。
訳がわからない、という顔のシャンクス。
とりあえず入ったら?とリビングを指差すと、ゆっくりとサンダルを脱いで入室する。
「おかえりなさぁい!」
語尾にハートがつきそうな勢いのそれは、ヤソップからかけられたものだった。
パソコンを抱えたまま立ち竦んだシャンクスは、少しの溜息をついて頭を抱えてしまった。