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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第43章 RED Force


荷物を部屋に運び込み、パソコンを取ってくる、と下の執務室へ向かったシャンクスが戻るのを待ちながら簡単に荷物を整理する。

「これはお風呂、こっちはキッチン...」

タグを切らないと、とハサミを探していると、呼び鈴が鳴った。

「どうしよ、」

勝手に出ていいのだろうか、と恐る恐るモニターへ歩み寄る。
液晶画面には、エントランスではなく、すぐそこの共有通路が映っていた。
ボタンを押したのは、黒髪の男性。
不在モードに切り替わったインターホンが記録する音声が聞こえる。

-いないみたいだな-
-下に車があったらいると思ったんだけどな-
-もう、酔っ払って寝てるんじゃないか?-
-まだ16時前だぞ?-
-あの人が酒を飲むのに時間なんか気にするか?-

少しカメラから離れた男性の後ろに数人の影が見えて、たしかにっ!とゲラゲラ笑う声が響く。


下階にパソコンを取りに行っているだけなので、シャンクスはすぐに戻ってくるだろう。
引き止めようと「応答」のボタンを押した。

  ✜

パソコンと機材を脇に抱え、エレベータに乗り込む。

(セシルとアメリには、口止めしといたほうがいいな)
特にアメリは噂好きでおしゃべり好きなので、面白がって話題にしかねない。去年のバレンタインにベックマンが差し入れとして秘書課に渡していたベルギーのチョコレートをひどく喜んでいたので、同じショコラトリーのもので買収しようか、などと考えながらエレベータを降りる。
玄関のドアにキーをかざしてノブを引く。

「おかえりなさい」
リビングダイニングへ繋がる扉を少し開けて、顔を出す🌸。苦笑気味の彼女にどうした、と言いかけて、足元の靴が出たときよりも異様に増えていることに気付く。

「どうしたらいいか、分からなくて...」
とりあえずリビングにお通ししました、と言う🌸に、なんのこっちゃ?と首を傾げる。
「会社の人が、来てるよ」「は?」
機材を持ったまま、🌸を追うようにリビングに入ると、おかえりなさーい!と変に甲高い声に迎えられた。
ゆっくりと瞬きしたあと、あちゃあ、と頭を抱えたシャンクスに、ドッと一同が笑いだした。
袖を引いた隣の🌸が、あのね、と自分が下に降りていた数分の事を話してくれた。
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