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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第43章 RED Force


人間二人に日用品、食材を載せた車が車寄せに向かう。
待って、と引き止めた。
「どうした?」「...地下の、駐車場に行って」
こちらをまっすぐに見るブルー・グレイの瞳に頷く。いつも繋がれる手の甲にキスをされた。
細く長く息を吐いて、少しだけ鼓動の早い心臓を落ち着ける。
コンクリートに囲われた下り坂にゆっくり入る。キュッと音を立てたタイヤに、一瞬だけ心臓が跳ねたのと絡む指先に力を込められたのが同時だった。
いつもの通用口前のスペース。片手でシフトレバーを操作すると、繋いだ手の甲に優しく唇を落とし、そっと彼の腿の上に置かれる。

パーキングに入れらたギアと切られたエンジン。
「頑張ったな」
ニッ、と笑う肩に甘えて寄りかかると、ギューッと抱きしめてくれる。広い背中に腕を回して少し、力を込めるとギュウギュウに抱きしめ返される。
「ちょ、んっ苦っしぃ」
パッと離れると、くしゃくしゃに頭を撫でる。
「今日は、お祝いだな」トラウマ克服パーティ、とニコニコしている。

「克服、ではないかなぁ?」苦笑してシートベルトを外す。
「一緒に、いたかっただけ、だから」
車寄せに置くと、後でここに入れるために降りるでしょ?と見上げる瞳。
今まで、🌸が乗っている時に、車を直接地下へ入れたことはない。正面側のロードパーキングか車寄せに置いておくようにしていた。
「気遣ってくれて、ありがとう」
もう大丈夫、と憑き物が落ちたような表情の🌸。
「シャンクスに、助けてもらってばっかりだね」
地下駐車場の事も車のことも、と申し訳無さそうに笑う。
サラ、と髪を撫でてて耳にかける。
「...俺も、助けられている」そう?と力なく笑う頬にキス。

運転席を出たシャンクスは、そうだ、と荷物を手に取る前に上着のポケットを探った。
「ほれ」「なぁに?」
差し出されたのは、クリアカラーの赤いカード。
「部屋の鍵だ。エントランスに入るには暗証番号と静脈認証。エレベータは、カード翳して呼ばないと住居階層まで上がれない。カード情報以外の階層には止まれないようになってる」
🌸の鍵、と差し出されたそれを受け取る。

「静脈認証に使うデータだけ、後で取らせれてくれ」
悪用はしない、と優しく笑う顔を見上げる。
「信用してるよ、疑ったりしない」
ニッ、と笑うシャンクスに微笑み返した。
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