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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第41章 見落とした姿


開いたエレベータ向かいの壁に大画面のデジタルサイネージ。画面を泳いでいたREDForceのロゴが消えると、事業紹介の動画が流れ出す。

「ちょっとこれ、見ててもいい?」
少し時間かかる、とドア脇の電子キーにカードをかざしたシャンクスに頷く。ガラス扉がガチャリと開いた。
(ハイテクだ)

社教センターは未だにシリンダータイプだ。
メンテナス面から見ればシリンダーの方が経費は節約できるだろうが、防犯面を考えたら電子錠の方が良さそうに思う。

来客の待合用のソファに浅く腰掛け、サイネージの紹介動画を眺める。

(社教センターの入り口に設置できたら便利だろうなぁ)

会議室の貸出や各種イベントに使われるホールなどもあるので、開催日当日にはやれ、あの会場はどこだ、このイベントの場所は、と総務課への訪問者が多い。
メインホールに案内を張り出したホワイトボードはあるのだけれど、人に聞くのが確実、と訪れる人が一定多数いるのである。


(難しい...)
画面で紹介される内容の半分も理解できなかった。機能改良されて次世代機種が出たらしい精密機械の組立作業を行うロボットの紹介。
シャンクスが口頭で説明した内容のほうがよほどわかりやすかった、と完全文系の🌸は首を傾げた。


ポーン、と箱の到着を知らせたエレベータ。
大きな音ではなかったが、静かだった空間に突然鳴ったので驚いてい振り返る。
(きれいな人)
エレベータから降りてきたのは、🌸が思い描く「デキるOL」そのものといった女性。
目線が合うと、少し驚いたような顔をした。
軽く会釈を返すと、同じように会釈をして彼と同じようにカードを電子キーに翳す。やはり同じように、ガチャリと鍵が開く。

(土曜出勤?忘れ物取りに来たとか?)
扉の向こうにあまり人の気配はない。それでもエレベータは休むことなく動いていたので、出勤者でもおかしくないかも、とスラリとしたその背中を見送った。
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