依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第39章 過去を知る人
「いや、ほんっとにモノ好きだなぁ」
それ、さっきも聞きました、とビールを瓶ごと飲むバギーに苦笑いを返す。
✜
煙草を吸ってくる、と出て行ったきり戻ってこないシャンクスが心配になって外へ出ようとしたら、ちょうど帰ってきた彼が引きずり込んできた青い髪。
あら、と驚くシャクヤクに、ご無沙汰してます、と返すと、シャンクスが座った卓の奥に🌸を見つけて、ほーんやっぱり、とニヤニヤした。
✜
「コレのどこがいいんだ?」
「俺に対して失礼だぞ」
今更だ派手馬鹿野郎、と卓の向かいで栓の抜かれた瓶ビールを直接煽るバギー。
「どこなんでしょうね?」「おいっ!?」
ゆず酒のグラスを揺らし、へらっと笑った🌸の言葉に動揺するシャンクスを見て、ケタケタと笑う。
「尚更気に入ったぞ、姐ちゃん」
「ありがとうございます...?」
尚更、というほど気に入られていたのか、とグラスに口をつける。
「仲が、いいんですね?」
「いいわきゃあるか。迷惑野郎だ」
「同級生だったし、ハウスでは同室だったもんなぁ」
否定するバギーと肯定するシャンクス。
「気づいたらいたし」
「そりゃ、お互い記憶なんてない頃に拾われて同じ場所で育ったんだ。当たり前ぇだろうよ」
彼も例のハウス出身なのか、と会話で知る。
「バギー社長も、レイさんをご存知で?」
レイリーさん!懐かしい、と瓶を空にして向き直ってくる。
「まぁ、シャクヤクの姐さんが知ってるならレイリーさんとも顔見知りか」
「一度、ここで一緒に」
そうかそうか、と嬉しそうに頷く。
「厳しい人でなぁ、よく喧嘩しちゃあ、『うるせえ!』と拳骨落とされたもんだ」
にこやかで穏やかな印象だったレイリーが拳骨?と首を傾げる🌸に、あの人は女にゃ優しいスケコマシだから。とニヤつくバギー。
「っと、姐さんの前で言う話じゃなかったな」
開け放たれている襖の先にいるシャクヤクに、苦笑う。
「いいのよぉ、それはそれであの人の魅力だから」
よかったら食べて、と卓に置かれた小鉢はあの時と同じチーズの和物。
「それにしても」
じっとシャンクスを見たあと、🌸に視線を寄越してククッと笑う。
「よりにもよってめんどくせぇのに惚れられたなぁ」
「めんどくさくねぇよ」
失礼なやつだな、と言うシャンクスをちらりと見ると、少しだけ笑った目が合った。
