依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第38章 優しい眼差しのその先に
「2〜3日過ごせるくらい?」
「とりあえず明日まで過ごせればいい」
まずは下着、と衣装室に入る。
「...後ろに立たないで?」「今更だろ」
引き出された収納箱に収まる下着。
「赤、ないのか?」
「赤?赤はこの前のやつと...」
クイ、と背中から引いた襟から白い🌸の背中を覗き込む。
「やめなさい!中学生じゃないんだからっ」
「赤、買い足せよ。黒もいいが赤が好きだ」
「好きだ、って...」
割と変態的発言だなぁ、と笑う🌸。
「明日、買う」
「え?」
「下着」
あと、歯ブラシ、🌸が使ってるバス用品...あ、そうだシャンプー。あれだけは絶対同じやつ、と買い物プランを考えるシャンクス。
ドラッグストアで買える、何も特別ではないシャンプー。
はちみつの成分配合のもので、優しい甘い香りと可愛らしいボトルに惹かれて使い続けている。
「そういえば、匂いが違うって言ってたね」
「🌸からあの匂いがしないと落ち着かないんだ」
「ボディソープもあのシリーズで揃えてるんだけど、」
「それも買う」
食い気味な回答に、んふふ、と笑う。
「シャンクスは、結構お揃い好き?」
「さあ?...学生の時のストラップくらいだろ」
「え、ちょっとその話気になる」
ほぼ、真上を見上げる。
「大した話じゃない。
当時の彼女が土産物屋で気に入ったものを揃いで買っただけだ」
「どんなやつだったの?」
「...全く、覚えてねぇ」
あれ?と首を傾げる表情に嘘はなさそうだ。
携帯につけてたはずだ、当時の。と悩んでいる。
「そう昔のことじゃないはずなんだが、」
「いくつくらいのときの話?」
「7,8年前、だな」
22.23の頃、と悩んでいる。
「まだ持ってる?」
「まさか、覚えてないんだぞ」
とっくにどっか行った、と首を振る。
「気になるのか?」
「...んー、少し?」
チラ、と見上げると、可愛い、と言って抱き締めてくれる。
「あ、そうだ。」
服を選んでいた目線を上げる。
「合鍵、もらっていいか?」
今日は鍵が開いていたからよかったけど、と真剣な顔。
「今後のためにも」
「...わかった」
衣類の支度を済ませて、玄関のシューボックスから合鍵を出す。
「あ、」
以前のコレの持ち主を一瞬思い出したが、その後、連絡もないので、まあいっか、と頭の中からすっかり消去した。
