依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第37章 幼馴染と腐れ縁。過去の呪縛と君への愛
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🌸が自分の存在を隠したがった理由が、想像よりもずっとずっと深くに根付いた恐怖によるものだった。
力を込めて握ったハンドルが、ギチ、と音を立てる。
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-🌸とはよく話すバカだったから遠巻きに見てた女達は次第にバカに絡むようになったけど、バカは🌸しか見てねぇから、女どもがうざったくなって蹴散らした-
-『俺に構うなっ!テメェらと話すことなんざ一つもねぇ!』-
-そう言って🌸ちゃんを連れ出したんだけど、それ以降、キッドくんはパタリと来なくなって-
-何があったのは、🌸も話したがらない。それで、周りはなおさら面白がって、ないことばかりの噂を立てた。周りに勝手に作り上げられたありもしない関係で誂われて-
テメェできっかけ作ってる事実は変わらないので殴ってやりたいし、ざまぁねぇ、と嘲笑ってもやりたい。
ローがソイツを「バカ」と呼ぶ理由に酷く納得し、バカが、と顔も知らないガキを貶す。
-男はバカの弱みだとこれ見よがしに誂って、女どもは勝手な嫉妬を🌸に押し付けた-
-二人は、否定しなかったのか?-
-したに決まってんだろ。けど、本人たちがどれだけ否定しようと発生した噂の拡大は止まらない。けど、アイツの性格上、女共もバカも責められなかった-
-「キッドの気持ちに気付いてあげられなかった」事と「みんなに勘違いさせるようなことしたかもしれない」って言うのが🌸ちゃんの言い分-
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向けられた好意によって傷めつけられた過去。
沸々と渦巻くその原因を作った男への嫌悪の熱。
ドア側へ凭れると、ヒヤリとしたガラスの温度に震える。
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-高校卒業して、🌸がまともに付き合ったのは一人。バカとは付き合ったわけじゃねぇから、唯一の元彼-
-警察所属だっていうリトルシガーのやつか-
-シャンクスさん、スモーカーさんを知ってるの?-
-一度、🌸を迎えに行った時に喫煙所でたまたま。警備5課の警部だとか-
-二人のことを知ってるのは、彼の同期と部下の二人くらいじゃないかな-
-🌸側も俺と🎀しか知らない、と思う-
つまり、二人の関係は🌸が信用している人間だけが知っていた。