依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第37章 幼馴染と腐れ縁。過去の呪縛と君への愛
帰宅して🎀を連れると、慣れた道を走る。
最後の角を曲がったら、コンビニの横の喫煙所に電話の主がいた。伏し目に立つ姿がなんか疲れて見える。
「シャンクスさん」
駐車枠に車を停めると、車内で簡単な話を聞いた🎀が一目散に駆け寄る。
手元のスマホ画面から目線を上げ、軽く挙がった手に持った煙草を灰皿に押し付ける。
「🌸は?」「寝てる」
ん、と見せられたスマホ画面に🌸の寝顔。暗視カメラの映像だ。
「本来は、赤子やペットの監視用だけどな」
どうやら、何かしらの機材を駆使して離れていても様子がわかるようにしているらしい。映像の角度から見て寝床の側面上部から撮っているようだ。
「これって盗撮、」
🎀の言葉に赤髪は苦笑いして、録画はしてないと無実を主張した。
「使ってるアプリは自社開発のものだし、向こうのカメラも手持ちのタブレットだ。部屋を出ている間に起きるかもしれないから、念のためさ」
こっちの音はミュートにしてる、と聞いて、後でなんのアプリか聞いておこう、と頭の片隅にメモをして、それで?と本題に戻す。
「🌸の過呼吸の原因についてなんだが」
🎀が強く俺の服の袖を引く。
「🌸はなんて言ってる」「なにも」
悲しげな顔で首を横に振る。
「本人に聞いても、答えきれないだろう」
まだ関わりから日は浅いのに、だいぶ🌸の本質を見抜いている。
「俺が知ってるのは、客観的に見た事実だけだ。それの持つ意味やあいつらが何を思ってそうしたのかは、🎀のほうが詳しい」
ちら、と隣の🎀を見下ろす。
「けど、勝手に話していいのかな、」
🎀の言葉に、クッと赤髪の顔が歪んだ。
「自分で話せないだろ。まだ過呼吸が出るみたいだし」
その現場にいた赤髪になんでもありません、は通用しないし、話せません、じゃ二人の信用問題に関わってくる、と諭す。
「俺が口を滑らせたことにしとく」「うん」
悪いな、と力く笑う赤髪。
🌸の部屋で話すのは気が引ける、と赤いレンジローバーの後部座席を借りた。