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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第33章 明かされた秘密



  ✜

ベッドの上でも散々欲をぶつけられて、気を失った🌸。
薄く開いて乾いた唇にキスをしてベッドの上でギュウギュウにくっつく。

(久しく聞いてなかったな)
「BoX...」
口にした単語にまた顔を顰めた。

ゆっくりと🌸から離れ、ベッド下に落ちた服を着ると寝室を出た。
書斎に寄って、デスクの引き出しから小さなキーボックスを取り出す。ダイヤル式の錠を開けて中から鍵を2つ取ると、向かいにある会社設立前の資料等を置いている一応の応接室に入る。

壁際の書棚のうち、下層の一つを一方の鍵で解錠すると中には厳重な防火金庫。
テンキーとダイヤルで解錠して開くと中程の段に2つのキーボックス。
一つを手に取り、テンキーで解錠した中には数多の情報媒体。それを閉じて元に戻し、防火金庫の最下層にある鍵穴にもう一つの鍵を差す。引き出し式のそこには、いくつかの封筒と薄いアルバム。
手に取りかけてもとに戻すと、再び施錠して書棚にも鍵をかけ、書斎にもどると確実に鍵を戻してロックをかけたキーボックスを引き出しに戻した。

ガタン、と腰掛けた椅子が揺れる。
左手で、ズキズキと疼き出す左目を覆う。
「っつぅ」
そこに、実際痛覚が生じているのか、幻覚痛なのか、いつからかわからなくなってしまっていた。
けれど、確かに条件が揃うと疼く。

痛みが引くのを待つが、時間が立つほど痛みは強くなる一方で、デスクの浅い引き出しから白の錠剤が並ぶシートを取り出す。一錠取り出して、唾液で飲み込む。
「っごほっごほっ」
上手く飲み込めずに咳き込みながら書斎を出ると、キッチンで水をコップ一杯、一気に飲む。

鎮痛剤の効きが悪いのは、耐性がついたせいだとわかっていた。
幾度か種類を変え、手元にある薬を処方してもらった時に、これが効かなくなったら眠気以外の副作用も覚悟でより強いものにするか痛みに喘ぎながら自力でそれが引くまで耐えるしかない、と言った主治医の言葉。

もう一杯の水を飲み、🌸の眠るベッドに入る。
いつものように小さい頭を抱き寄せ、足を絡めて目を閉じる。
寝惚けた🌸がやわやわと頭を撫でてくれた。
いつもより早く薬が効き始めて、すぅっと引く痛みと迫る副作用の眠気。

ある意味、自分も薬がないと生きていけない体だ、と腕の中のぬくもりに縋って眠りに落ちた。
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