第4章 告げる
「杏寿郎くん…、私の事…す、好きなの……?」
杏「ああ。」
「それって…深澤さん…、ううん、リボンの人よりも……なのかな………。」
呆然としながらそんな事を問うと、杏寿郎は眉を顰めて再び口付けた。
恥からつむぎが半歩後ずさる。
杏寿郎はそれを追って再び唇を重ね直し、少し離して顔を向きを変えるとまた優しく唇を押し付けた。
杏(…本当に好きと言われれば誰でも良いのではないだろうな。)
あまりの容易さにそう心配になりつつ、つむぎが自身を男として認識してくれた事を嬉しく思った。
杏(真っ赤だな。きちんと、真っ赤だ。)
そう思いながらつむぎの赤い耳を人差し指の腹で撫でると、つむぎが肩を跳ねさせて杏寿郎の胸を押した。
その抵抗はあまりにも弱い。
杏寿郎はその反応に自惚れたくなった。